101: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:38:50.07 ID:Gqsp30dn0
俺は2人分の茶を淹れると、食堂の椅子に腰掛け女と向かい合った。
僧侶「フーフー」
魔人「猫舌だったか」
102: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:39:28.61 ID:Gqsp30dn0
魔人「俺もここで大分平和ボケしちまったが…」
ここに来た頃自分にあった攻撃性は、今ではもう大分削がれてきた。
人間を食いたいとも思わなくなってきたし、積極的に戦おうという意思もない。
103: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:40:12.17 ID:Gqsp30dn0
俺は何と返事すればいいのか。
予想外すぎて何も言うことができなかった。
僧侶「ここでしたら、人と遭遇自体ほとんどしませんし」
104: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:41:09.73 ID:Gqsp30dn0
魔人「俺は生きていたい…」
戦いの中で死にたいという気持ち、生きたいという気持ち。
その相反していそうな気持ちは確かに、元々両方持ち合わせていた。
105: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:41:49.34 ID:Gqsp30dn0
僧侶「自分で気付いていらっしゃるじゃありませんかー。魔人さんは変わってきているんですよ」
魔人「…そりゃ良くねー変化だ」
僧侶「魔人族としてはそうかもしれませんが…今の時代に適応しているんじゃないですか」
106: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:42:54.85 ID:Gqsp30dn0
僧侶「彼と協力して、暗黒騎士の命を奪いました」
魔人「あぁ、そうだったな」
それは前にも聞いた。
107: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:43:41.13 ID:Gqsp30dn0
呪術の類は詳しくない。
だが呪いの効果が大きい程、危険は高いことは知っている。
魔人「まさかその女、命を捨てて呪いを――」
108: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:44:19.87 ID:Gqsp30dn0
僧侶「この際だから全部言っちゃいますねー魔人さん」
魔人「あ?」
僧侶「私が魔人さんを助けた理由」
109: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:44:57.35 ID:Gqsp30dn0
魔人「まさか、その時のお前に俺を重ねて助けたとか言うのか?」
僧侶「魔人さんは本当に察しがいいですねー」
魔人「お前が悪すぎるんだよ。あの時の俺はまだ死ぬのを恐れちゃいなかった」
110: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:45:25.86 ID:Gqsp30dn0
魔人「…なぁオイ」
僧侶「はい…?」
俺はこの女が言うように、意味があるなんて思っちゃいない。
111: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:45:52.89 ID:Gqsp30dn0
魔人「助けられた身として、俺もお前に誠実でないとな」
僧侶「…?」
女は首を傾げる。
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