3: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:24:12.18 ID:+AkwQ9aA0
僧侶「…」ガサッ
魔人(ん?)
姿を現したのは追っ手とは思えないような、少し薄汚れた、儚げな女だった。
4: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:24:40.81 ID:+AkwQ9aA0
僧侶「ちょっと待って下さいねー」ビリリ
女は自分の服の袖を破くと、俺の腹の傷口にあて、強めに圧迫した。
僧侶「応急処置できましたよー。うちに来て下さったらちゃんと治療できますけど…」
5: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:25:07.15 ID:+AkwQ9aA0
僧侶「うーん、でも貴方が警戒するなら仕方ないですねー」
女は「よっと」と重そうに腰を上げて立ち上がる。
僧侶「まぁ気が向いたら来て下さい。この近くに住んでいます」
6: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:25:40.38 ID:+AkwQ9aA0
女の家は人間達の社会から隔離されたような森の中に、ポツンと存在していた。
僧侶「散らかっててすみませんねー。そこに座ってて下さい」
女は物に伝い歩きしながら、治療道具らしきものを持ってきた。
7: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:26:12.79 ID:+AkwQ9aA0
魔人「かもしれねぇ、つってんだよ!どうだ、助けたこと後悔したか!?」
僧侶「食べるんですか」
さっきと同じ調子で言う。この女は本当に…。
8: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:26:46.89 ID:+AkwQ9aA0
魔人(…あの女、俺のことナメてんのか?それともただのバカか?)
食事を待ちながら色々考える。
俺はこれでも魔王軍の暴れん坊、鮮血の魔人と呼ばれた男だ。それがこうして、あんなボケっとした女に助けられたなんて…あぁ、口が裂けても昔の仲間にゃ言えやしねェ。
つっても昔の仲間も大分狩られたと聞く。俺は仲間意識が薄い方だったから、そんな噂耳に入っても特に何とも思わなかったが。
9: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:27:12.88 ID:+AkwQ9aA0
僧侶「昨日作り置きしてたスープは美味しかったので、それ温めてきますね」
返事するより前に女はのっそり立ち上がり部屋を出て行く。
腹が減ってるのであまり待ちたくはなかったが、この不味い飯で我慢するのはもっと嫌だ。
10: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:27:45.11 ID:+AkwQ9aA0
魔人(ったく何で俺が…)フキフキ
僧侶「綺麗になりましたねー。ありがとうございました」
魔人「…いつもこんなに鈍臭いのか?」
11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:28:21.70 ID:+AkwQ9aA0
ひどく疲れた後は腹が減り、出されたスープを一気に平らげた。味はまぁ、悪くはなかった。
僧侶「あら、後片付けくらい私がやりますよ」
魔人「いや、いい…自分のことくらい自分でやる」カチャカチャ
12: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:29:03.07 ID:+AkwQ9aA0
今日はここまで。
僧侶のペースが作者とも合わないんで書くのが大変…。
ゆっくり書き進めます。
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