21:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:15:21.69 ID:j6K9ZfLpO
 耐え切れなくなって、水瓶の中に完全に隠れても、耳を塞いでも聞こえてしまう。 
  
 ああ、これはもう夢なのだから、はやく終わって、わるい夢だ。夢だ。 
  
 目が覚めればみんな元通りで、お母さんにしがみついて、怖い夢を見たって思いきり泣けばいい。 
22:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:16:30.09 ID:j6K9ZfLpO
 わたしの倍はありそうな目やにだらけの目がわたしの身体を舐めまわす。 
  
 意識が飛ぶ寸前に、足首をもって宙吊りにされて、服がむしり取られた。 
  
 わたしをつかまえたのが、ふごっふごっと大きく鼻を鳴らす。 
23:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:17:03.03 ID:j6K9ZfLpO
 投げ出されて、かたい鉄にぶつかった。 
  
 ぶつかったのが、地面でもあのぶよぶよの肉でもないことがわたしはうれしかった。 
  
 そっちのほうがよほど痛くなかっただろうに。 
24:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:17:53.51 ID:j6K9ZfLpO
 目を開く。窓から差し込む光はまだ薄暗い。夜明けなのだろう。 
  
 頭がガンガンとなっていた。 
  
 二日酔いのようだ。なさけない。 
25:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:19:47.90 ID:j6K9ZfLpO
 その後、わたしが目を覚ますと、騎士団のテントの中にいた。 
  
 ぶかぶかの服をきていて、とてもお腹が空いて、喉が乾いていたのを覚えている。 
  
 しばらくぼうっとしていると、鋭い目つきをした中年のおじさんが入ってきた。 
26:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:20:59.38 ID:j6K9ZfLpO
 村をおそったオークは全部殺したそうだ。 
  
 あとで聞いた話では、騎士団にもかなりの犠牲が出たらしい。 
  
 村は燃え尽きて、跡形も無いそうだ。 
27:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:21:57.35 ID:j6K9ZfLpO
 青い目のおじさんはその騎士団の団長だった。 
  
 ひとりだけ生き残ったわたしは街の孤児院にいくはずだったけれど、団長にお願いして騎士団にいることにした。 
  
 団長は反対したけれど、朝から水を汲んで、団員の衣類を洗い、調理をして、馬の世話をして、騎士団の雑用をしているうちにあきらめてくれた。 
28:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:23:33.40 ID:j6K9ZfLpO
 団長の騎士団は様々な場所のオーク討伐を命ぜられていた。 
  
 訓練に参加させてくれてもさすがに討伐にはついて行かせてくれない。 
  
 なので、わたしはこっそり皆のうしろをついていって、オークを[ピーーー]ところを見ていた。 
29:名無しNIPPER[saga]
2015/03/08(日) 01:24:29.78 ID:j6K9ZfLpO
 初めてオークを殺したのは、14の時だった。 
  
 団員に怪我を負わせて逃げ出したオークの首を、その時も隠れて見ていた私がはねてやったのだ。 
  
 団長のお古の大剣はイメージ通りの軌跡を描いて、太い首に吸い込まれていった。 
30:名無しNIPPER[saga sage]
2015/03/08(日) 01:27:12.88 ID:j6K9ZfLpO
 とりあえずここまでで 
 >27ミスったわ… 
226Res/120.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。