過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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38:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:47:55.77 ID:JxUSEnW0o
(櫻子ちゃんがいてくれるおかげで、私は寂しくなくなった……)


(今はちゃんと自分に向き合って、新しい世界へ向かって歩いて行けてる。新しい学校の友達も増えてきて、あの桜の木にもあまり行かなくなった)

以下略



39:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:48:28.58 ID:JxUSEnW0o
撫子の望む自分になれたことはいいが、櫻子という力を使ってしまったことには罪悪感のようなものがあった。

撫子はきっと、私が自分の力だけで足を踏み出したと思っている。孤独に絶望しているところに、撫子の存在を重ねた櫻子に元気づけてもらうような、未練にまみれた情けない方法をとっているとは夢にも思わないだろう。撫子は櫻子に関係を知られることを恐れていたのだから。


以下略



40:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:48:55.76 ID:JxUSEnW0o
帰り道、やっぱり私があがるまで待っててくれていた櫻子と一緒に、暑い夕暮れの道を歩く。


「それでさー向日葵ったら……」

以下略



41:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:49:31.28 ID:JxUSEnW0o
「櫻子ちゃん……いつもありがとう」

「えっ?」

「私のために……こんなにいつも一緒にいてくれて。もう私、寂しくなくなったよ」
以下略



42:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:49:58.63 ID:JxUSEnW0o
「受験が始まった、高三の夏ぐらいから感じてた寂しさ。みんなと違う道を進むことになる寂しさ。受け入れたくないけど、絶対にやってきてしまう別れ。それを一人で受け止めきれなくて、私はいつまでも引きずって悲しんでた……」


「でもね、櫻子ちゃんと一緒にいたら、その寂しさがだんだん無くなってきたの」

以下略



43:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:50:31.01 ID:JxUSEnW0o
「撫子に伝える気持ち……櫻子ちゃんは、私がそれをちゃんと形づくることを望んでたんだよね……?」

「…………」

「でもね……今は、撫子に伝える気持ちは何もないの。確かに今でも大好きだけど、私がそれを伝えることは、撫子にとって良いことじゃない。撫子だって、新しい世界で頑張ってるんだもん」
以下略



44:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:51:01.12 ID:JxUSEnW0o
「もう撫子お姉ちゃんのこと、好きじゃないの……」

「え……いや……」

「そんなの絶対ダメだよ!!!」
以下略



45:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:52:01.44 ID:JxUSEnW0o
気持ちに区切りをつけた自分を、偉いと思っていた。自分に向き合うことができて、一番いい方向に進むためのレールに乗れた、櫻子はそれを応援してくれると思っていた。


唐突に、裏切られてしまったような気持ち。

以下略



46:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:52:31.47 ID:JxUSEnW0o
櫻子と喧嘩なんて……絶対にしたくなかった。

せっかくできた一番の味方を失うこと。けじめをつけた自分の気持ちを、一番の味方に否定されたこと。撫子との全てを終わらせること。その全てが一気に押し寄せてきて、流したくない涙が溢れてきた。

それでも目を拭うことは許されなかった。櫻子に強く腕をつかまれて、自由がきかない。
以下略



47:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:53:04.77 ID:JxUSEnW0o
   〜


帰ってすぐに、風呂に入った。汗ばむ体を流し、泣き顔も直さなければいけなかった。

以下略



48:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:53:58.91 ID:JxUSEnW0o
「撫子……!!」


撫子からの着信通知が、5〜6件ほど連なっていた。

以下略



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