過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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502: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:47:03.15 ID:OBJgOl+No

 その感情は、かつてのアーニャならば絶対に考えない発想であったのに。

 それは彼女の成長であったのだが、同時にかつてあった『兵士』としての利点を奪っていた。
 なまじ戦えるだけの力があるだけに、その心はねじれを生む。
以下略



503: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:47:40.80 ID:OBJgOl+No

 そして社長が言い渡す処置はアーニャにとっても安易に予想できること。それは決して納得のいくということではない。
 もっとも避けたいことが故に、最も容易く予想ができるのだ。
 彼女は齢15にもなる少女であるが、自由意志を持つアナスタシアと言う存在は赤子同然であり、それでいて持っているものが限られていた。

以下略



504: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:48:27.04 ID:OBJgOl+No

「ダー……そうですね。

しばらくお休み、します」

以下略



505: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:49:17.78 ID:OBJgOl+No

「だ、大丈夫か?アーニャ」

 そんな様子のアーニャに誰も声をかけないわけにはいかない。
 心配するような目で一番最初にアーニャに近づいたのはピィであった。
以下略



506: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:49:59.49 ID:OBJgOl+No

「……お休み、もらいました」

「お休み?」

以下略



507: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:51:04.04 ID:OBJgOl+No

 アーニャは未だ無理のある表情ではあったが、ピィやちひろにはこれ以上どうすることもできなかった。
 彼女がヒーローをするのは、自分がみんなを守れる力を持っていて、それでみんなを守りたいと思ったから。
 15年生きてきて、初めて抱いた願望であり、それが心の主柱であったのだ。
 それが封じられた今のアーニャの気持ちを、他の誰かにどうすることもできなかった。
以下略



508: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:52:23.97 ID:OBJgOl+No

 どうやらアーニャが発したものではないらしく、ピィは気のせいであったと判断する。
 ピィ自身もよく考えれば、先ほどの声はアーニャにしては流暢であった。

「ところで……なのですが」
以下略



509: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:53:07.83 ID:OBJgOl+No

「私に、できることは、戦うことだけです。

そうなると、私がしたいことは……みんなを守ること、ヒーローなのですが。

以下略



510: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:53:44.08 ID:OBJgOl+No

「そ、そうだ!あのメイド喫茶、えーっと、エトランゼはどうですか?

アーニャちゃん。あそこでバイトしてたでしょう?」

以下略



511: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:54:35.14 ID:OBJgOl+No

 今事務所には、社長以外には二人しかおらず、他の皆はちょうどいなかった。
 故に、ちひろの吐いた溜息ですらピィの耳に届くほどに静かである。

「まったく、一時はどうなることかと思いましたよ。ピィさん」
以下略



512: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:55:26.87 ID:OBJgOl+No

 ピィはそんなちひろの言葉に何も言わなかった。

 赤ん坊に育てるのは困難だ。何でも吸収するその脳に、刻む情報を取捨選択しなければならない。
 獣を人に育てるのはさらに困難だ。野生と言う価値観を、理性と言う思考回路で抑えることを教え込まなければならない。
以下略



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