過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:04.54 ID:A/teO6r30
*
ピンポーン。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:48.39 ID:A/teO6r30
「いらっしゃい、梓ちゃん」
「おはよ。おじゃましてます…憂、具合はどう?」
22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:20:28.37 ID:A/teO6r30
唯が差し出した体温計を受け取る。
細くて白くて安っぽい体温計のさきっぽ。
そのさきっぽの銀色が、紺色のポロシャツの胸元から憂の内側に侵入し、間を割って右腋にねじ込まれる。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:21:18.72 ID:A/teO6r30
デジタルの表示を見た憂は微笑んだ。その頬がりんごのようにあかい。
「この体温計、壊れてるみたい」
24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:22:29.89 ID:A/teO6r30
「…わかった」
「ん、じゃあ行こうか。保険証は持った?」
25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:23:30.77 ID:A/teO6r30
「ねぇ梓ちゃん。いい部屋は見つかりそう?」
苦笑いする梓に対して、憂は真顔で尋ねる。
26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:24:23.03 ID:A/teO6r30
そのまま二人は黙ったまま、憂はソファにもたれて目を瞑る。
頭の中がぐるぐると巡る。
足音が聞こえる。起きなくちゃ。目を開く。
すると梓と目があった。ニコッと微笑む梓。
27:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:25:14.05 ID:A/teO6r30
*
あ、いけない。寝ちゃいそうだった。
俯いた頭をあげてしっかり目を開くと、あずにゃんはじっとわたしの方を見てた。
わたしが目を覚ましたのを見て、すっと目を逸らす。
28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:26:01.18 ID:A/teO6r30
『帰らないんですか』
やけに遠くの方から、誰かの声が聞こえた。
つけっぱなしだったTVからは、ニュース番組が流されている。
29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:26:52.88 ID:A/teO6r30
『…ま、もう夜遅いですしね。今日は泊まっていってください』
あずにゃんは立ち上がって、空になった缶ビールを片付け始める。
わたしも手伝おうと立ち上がって空き缶を手に取った。
30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:27:37.26 ID:A/teO6r30
『忘れるわけないでしょう』
『…そっか。そうだよね。ちょっと不安になっちゃってさ。
だってもう随分会ってないんだよ。会わなくなった人のことは忘れちゃうじゃん。
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