過去ログ - やはりわたしの青春ラブコメはまちがっている。
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17: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:09:55.31 ID:+4eN97YB0
 誠実な先輩ってのもまた珍しいものだけど。
 なんというか、似合わな過ぎて全身がむずむずする。

「正しい結論なんてないんですよ……だいたい、正しいかどうかなんて誰にも分かりませんし。それに、間違ったっていいんです」

以下略



18: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:10:36.49 ID:+4eN97YB0

 相変わらずな反応に頬が緩みそうになるのを堪え、不満を滲ませた声で言う。
 先輩は脱力した様子でふるふると首を振った。

「分かんねぇけど……それはねぇよ、多分」
以下略



19: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:11:19.83 ID:+4eN97YB0

 遅れて出てきた先輩の右腕に抱きつき、がちがちに凍りそうな身体をすり寄せる。
 うわぁ、とそんなことを言い出しそうな顔で右腕だけをぴんと伸ばし、なんとか距離を取ろうとしている先輩を見ると少しばかり寒さも和らいだ気がした。

「なんでお前なんにも持ってねぇんだよ……なんなの? 最近の女子高生はそんなに気合い入ってるの? っつーかそんなに寒いならスカート折るなよ。そもそも三月は普通寒いだろ」
以下略



20: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:11:56.32 ID:+4eN97YB0
 そんなわたしのことを見ていたようで、なにか幼い子でも見るような温かい眼差しを向けられた。

「……忙しいやつだな」

 先輩のせいですよ、なんてことは言えなくもなかったけど、どこか気恥ずかしかったので頬を膨らめて睨みつける。
以下略



21: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:12:40.90 ID:+4eN97YB0
 じーっと観察していると、わたしに気づいたようだ。
 わたしと先輩を交互に見て目をキラキラと輝かせる。

「こんにちはー。先輩の後輩の一色いろはです。よろしくねー」
「こんにちはー! 妹の小町ですっ! お、お兄ちゃんとはどういう関係でっ!?」
以下略



22: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:13:25.03 ID:+4eN97YB0
 たったっと喜びを滲ませた足音で寄ってくると、ケータイを取り出した。

「いろはさんっ! アドレス交換しましょうっ! アドレスっ!」
「……う、うん、いいよー?」

以下略



23: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:14:10.87 ID:+4eN97YB0

 夕陽は二人を暖かく包み込む。
 オレンジ色はどこか感傷的だった。
 なんだ……全然一人じゃないじゃん。

以下略



24: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:15:06.64 ID:+4eN97YB0

 第一章 きっと、誰しもそれらしさを探している。


「お疲れ様ですー!」
以下略



25: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:15:46.76 ID:+4eN97YB0

 いつも通りな部室。
 いつも通りな奉仕部の面々。
 結衣先輩の告白から少し日が経ち、それでも奉仕部の関係はいつも通りだった。

以下略



26: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:16:26.66 ID:+4eN97YB0
「……さんきゅ」
「あはっ、いーえっ!」

 必死に自分がどれだけわたしのことを鬱陶しいと思っているか態度で伝えようとしてくる。
 が、それもつい最近の祝い事を話題にされては上手くいかないらしく、こほんと咳払いをして本を閉じた。
以下略



27: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:17:00.27 ID:+4eN97YB0
 ことん、とカップを先輩の手前に戻す。
 その音がいやにはっきりと聞こえ、不思議に思い首を動かすと結衣先輩と目があった。

「え……」

以下略



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