過去ログ - 八幡「人の評価なんて当てにならねえ」
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47:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 05:58:06.90 ID:ecQ0BIE6o
最下層の底辺が一瞬にしてトップカーストと同等の位置に収まるとしたら、相模からしたら許されないだろう。動機になる理由としては十分だ。

しかも助けて貰った葉山にすら俺が認められているとなれば相模の心中は穏やかじゃないどころか、一度は助けてくれたのにどうして比企谷の味方をするのかと想像できる。

全く迷惑な話だ。だから今回相模には折れてもらうことにする。悪いが俺はお人好しではない。その為には不本意だがトップカーストも利用させてもらう。
以下略



48:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 05:58:51.01 ID:ecQ0BIE6o
俺が行動に移す前に平塚先生から呼ばれた。内容は裏サイトに関すること。昼休みに生徒指導室へ移動し、詳細を伺う。

「来たか比企谷。裏サイトの件だが画像は私からアップロード先に削除を申請しておいた。当該画像をアップロードした者の特定は行っているが、あまり期待しないでほしい」

「いえ、十分です。ありがとうございます」
以下略



49:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 05:59:28.50 ID:ecQ0BIE6o
これからは相模を注視していけばおそらく何かしらのボロを出すと思って待っていればいい。目的が俺であるならいつも通りに過ごし、相手に感知されなければ行動もそう遠くないうちにすることだろう。

由比ヶ浜はほとんど安心しきっているようで、以前と同じように接してくる。どういうわけだか葉山グループから話しかけられる事が稀にあるが、大した変化ではないので許容範囲だ。

だが、そのリーダーが単独行動を起こすのは俺の想定外だ。
以下略



50:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:00:12.38 ID:ecQ0BIE6o
「やぁ、来たか」

葉山はサッカーのユニフォーム姿で待っていた。部活を抜けてきたのだろうか。総武高校のカリスマは立っているだけで絵になる。それともう一人俺を待っているヤツがいた。

「先輩こんにちはー」
以下略



51:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:00:47.27 ID:ecQ0BIE6o
「いろは、比企谷が待ってるよ」

「は、はい」

やがて意を決した一色が語り始めた。
以下略



52:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:01:26.36 ID:ecQ0BIE6o
葉山は普段と変わらない穏やかな表情だが、淡々としつつも言葉を選んでいるようだ。

「気付いたのは当初からかな。確信はなかったけど、チェーンメールの件があってからそういう事は俺らの中で禁忌される行為だという事は仲間内で話していた。だから俺らの中でこんな事をする奴はいないと思っていた」

葉山の言葉に一色の表情は暗い。平静を取り繕おうとしているのが見て取れる。憧れの先輩から死刑宣告を受けたようなものだから当然だろう。
以下略



53:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:02:23.60 ID:ecQ0BIE6o
再び一色の表情が変わる。憧れの先輩に迷惑をかけることがどういう物か一色の想像力では考えられなかったらしい。その顔に絶望の色が染まっていく。

「比企谷の言うことは最もだ。俺は何をすればいい」

「葉山先輩は悪くありません!全部私が悪いんです!だから私が責任を取ります!」
以下略



54:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:03:03.06 ID:ecQ0BIE6o
即座に出来るとは言わないと思っていた。そこまでの覚悟がない事も。ただ覚悟をしなければ人は変われない。だから言葉を待った。コイツなりに必死で考えて死にものぐるいで出さなければ、意味など無い。

「決めるのはお前だ。どうする」

「おい、比企谷!いくら何でもやり過ぎだ!」
以下略



55:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:03:41.04 ID:ecQ0BIE6o
声が震え弱弱しかった。俺の条件を真に受けたのだろう。震えたのは声だけではない。両腕で肩を抱くように支え、俺の目を見る瞳には力強さがあった。

「先輩の条件、お受けします」

「……わかった。葉山、終わったら行くから下で待ってろ」
以下略



56:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:04:19.54 ID:ecQ0BIE6o
そして一色が意を決し、自らスカートに手をかけたところで俺は一歩踏み出すと彼女の両腕を握りしめ、耳元で告げた。

「お前の覚悟はわかった。だからもういい」

こんな状態で俺の顔は見たくないだろう。俺も見ていられなかった。握った両手をそっと離すと、自分のジャケットを脱いで一色に羽織らせる。そのまま糸が切れたように一色は俺の胸に顔を預けると泣き声が響いた。何度も謝罪の言葉を口にして、落ち着くまで俺は遠くの空を眺めていた。
以下略



57:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:05:56.20 ID:ecQ0BIE6o
「後でジャケット返せよ」

「また嫌な役を押し付けてしまってすまない」

「お前が一色をどう思っているか知らないが、今日だけは優しくしてやれ。それがお前の責任だ」
以下略



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