19: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:37:01.04 ID:iBL1VWWio
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カタカタとキーボードをたたく音が事務所に響く。
今日、アイドルたちは久しぶりの全日オフ。
20: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:37:31.64 ID:iBL1VWWio
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21: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:38:01.42 ID:iBL1VWWio
「お疲れ、春香」
「プ、プロデューサーさん!?」
俺が入ってきたことにも気づいていなかったようだ。
22: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:38:37.04 ID:iBL1VWWio
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しきりに遠慮する春香を助手席に押し込み、車を走らせる。
23: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:39:11.50 ID:iBL1VWWio
「気になってたんだ。千早や雪歩の見えないところで、時々辛そうな顔してたろ」
「プロデューサーさん……」
俺はひたすらに前を向き続ける。
24: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:39:45.73 ID:iBL1VWWio
「千早ちゃんみたいに歌が上手なわけじゃない。雪歩みたいにステージでの表現力があるわけじゃない」
天海春香のアイドルとしての資質は、技術的な話とは別のところにある。
しかしそれは、本人には無自覚だったということか。
25: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:40:12.58 ID:iBL1VWWio
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26: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:40:45.74 ID:iBL1VWWio
「春香さ、ユニットに選んだ理由覚えてるか?」
「……特別歌が上手いわけでも、ダンスがすごいわけでもないって言ってましたね」
うっ。
27: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:41:47.50 ID:iBL1VWWio
「うん、ごめん。でも、俺が言いたかったのは春香のそういうところなんだ」
「どういうことでしょう?」
「今自分が辛い状況なのに、誰かが困ってると迷わず手を差し伸べるだろ」
28: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:44:22.09 ID:iBL1VWWio
「自分も、仲間も、その場にいるすべての人を、まとめて笑顔にしてしまう。それがアイドルだと思うし、それができるのが春香なんだよ」
「みんなを……笑顔に……」
「歌やダンスなんて、後からどうにでもなる。でも、アイドルの資質は教えてどうにかなるもんじゃない」
29: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:45:10.62 ID:iBL1VWWio
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「例の新曲、作詞のほうはどうだ?」
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