6: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:28:18.27 ID:iBL1VWWio
「あー、さっきのいい知らせってやつの話をしたいんだが」
名残惜しいが、このままではキリがないので軌道修正を図る。
「ようやく仕事取れました。おまたせ」
7: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:28:47.05 ID:iBL1VWWio
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昼下がり、いつものようにレッスンスタジオの扉を開ける。
8: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:29:17.20 ID:iBL1VWWio
事務所近くの書店、CDショップ……いない。
ユニットのみんなでたまに寄るという喫茶店……いない。
まさかと思い事務所に戻ってみたが……いない。
半ば途方に暮れて歩いていると公園に差し掛かった。
9: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:29:59.46 ID:iBL1VWWio
「……プロデューサー、やっぱり私ダメダメです」
昨日の収録での失敗を言ってるんだろう。
「弱い自分を変えたくてアイドルになりましたけど、みんなの足を引っ張っちゃって……」
10: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:30:33.01 ID:iBL1VWWio
「ねぇプロデューサー、何とか言ってくださいよ」
横で肩を震わせる気配が伝わってくる。
考えるより先に、思いが口からこぼれていた。
11: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:31:22.19 ID:iBL1VWWio
「足を引っ張るから、迷惑をかけるからって言ったよな。できないから、じゃない。きっといつかできるようになる。そう言っているように聞こえるんだ」
過去、そうありたかった自分を雪歩の中に求めているだけなのかもしれない。
「辛いことも苦しいことも、正面から受け止めようとしている。そんな姿が、俺には眩しいんだ」
12: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:31:57.76 ID:iBL1VWWio
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13: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:32:43.61 ID:iBL1VWWio
「プロデューサー……」
雪歩は確かに引っ込み思案ではあるけれど、その分周囲をよく見て気遣うことができる。
みんながそれにどれだけ助けられているか。
14: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:33:21.59 ID:iBL1VWWio
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ユニットとしてのTV初出演以来、着実に仕事は増えていた。
15: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:34:01.51 ID:iBL1VWWio
「さっきラジオ局の人と話してたんだけどな、君たちで番組やらないかって」
「おおっ、冠番組ですよ、冠番組っ」
「私は、少し自信がないわね」
「大丈夫だよ千早ちゃん、私も春香ちゃんもいるんだし」
16: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/06/07(日) 23:34:35.71 ID:iBL1VWWio
「了解。それともう一つ、こっちはほぼ固まった話なんだけど。新曲について」
「本当ですか、プロデューサー!?」
新曲と聞くや、千早が飛びつかんばかりに身を乗り出す。
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