595: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:29:39.30 ID:a5KsSFBDO
ひどく喉が渇いていた。頭も痛い。動悸もいつになく激しい。鳥肌が治まらない。神経が過敏になっているせいか、どうしようもなく暴れ出したくなる。
水を飲もう。そうすれば落ち着くはずだ。
596: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:31:32.57 ID:a5KsSFBDO
(満月の夜、公園で待っている)
「っ! おい──」
597: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:33:40.89 ID:a5KsSFBDO
自室に戻り、てきぱきと準備をする。今日使うであろう教材と筆記用具を総点検。異常無し。丁寧に鞄へ入れてから再度洗顔をして、窓などの戸締まりを終えて部屋を出る。施錠も念入りにチェックした。
朝食は──いいだろう。食べなくとも、どうせバレないに決まっている。それよりも放課後に<特派>へ行くとなれば、スザクの分の授業を受け、生徒会の仕事もこなしておかなければならない。体調管理は二の次だ。
598: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:36:18.82 ID:a5KsSFBDO
しかし、結局は男と女。性別という絶対的な違いがある。体格差は歴然で、力任せに振りほどくのは容易い。必要となれば幾つかの関節も外せるだろう。そうすれば、逆襲することも出来る。
(……どうするかな)
599: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:38:20.13 ID:a5KsSFBDO
ロイドに渡した報告書にはカレンの事も記載していた。だが彼女はあくまでボランティア活動の一環でゲットーを訪れていただけであり、そこで顔見知りの自分と偶然行動を共にして事件に巻き込まれたとだけ書いていた。
世話係主任の仕事は彼女の善意によって行われているのだから、ボランティア云々についてはあながち嘘とも言い切れない。
600: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:39:28.82 ID:a5KsSFBDO
「結果は……どうなったの? あなたがここにいるって事は、少なくとも即拘束ってわけじゃないのよね?」
「ああ。なにせ証拠が無いからな。罪に問われる可能性は低いそうだ」
601: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:41:18.87 ID:a5KsSFBDO
「相談しようとしたぞ」
「嘘。昨日一日、私と一言も話さなかったじゃない」
602: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:44:48.98 ID:a5KsSFBDO
「だって、それはあなたが……」
「……? 僕がなんだ。何かしていたなら謝る」
603: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:46:02.40 ID:a5KsSFBDO
今朝、租界を歩いている時に行われていた尾行は早い段階で察知していた。シンジュクゲットーでの件があったばかりだし、スザクと歩いている時に感じた視線の事もある。
何より、あの悪夢のせいで神経がいつもより遥かに過敏になっていた。
604: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 01:16:36.88 ID:a5KsSFBDO
「う……」
シンジュクゲットーでの騒ぎから、カレンの様子がどんどんとおかしくなっているとライは感じていた。いつも纏っていた清楚なお嬢様ではなく、もっと別の顔が頻繁に出てきている。
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