847: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/09(月) 23:23:43.54 ID:IXU7FTiDO
眠い。
朝の教室。一時限目の授業が始まって二〇分ほど経過した頃、強い眠気がカレンを襲った。
848: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/09(月) 23:25:00.76 ID:IXU7FTiDO
今までのレジスタンス活動の影響で眠れない事は確かにあった。
だがそこで"病弱なお嬢様"設定が活きてくる。眠くなれば体調を崩したふりをして保健室に逃げ込む事も出来たし、そもそも学園に来ないという手段の方が楽で、簡単だった。いつも使っていた。
849: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/09(月) 23:26:51.68 ID:IXU7FTiDO
もし彼が仲間になってくれたなら、<黒の騎士団>はいっそう強力な組織になることだろう。カレンを含めて団員は皆、一般人上がりの人間ばかり。
一般的なナイトメアである<無頼>の整備すら、マニュアルを読み解きながら何とかこなしている状態だ。機体を動かすOSも数年前の骨董品。ゼロの伝手で良質なパーツこそ潤沢に入手出来るが──それだけだ。
850: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:07:44.25 ID:RQrE+LDDO
追い風が吹いている。強い追い風が。
ゼロが首を縦に振れば、すぐにでも引き入れられる。こうしている間にもタイムリミットは迫って来ているのだ。カレンの中に焦燥感で形作られた炎が再燃する。
851: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:08:31.47 ID:RQrE+LDDO
昼休みを終え、午後の授業。
カレンはまたも憂鬱な気分で教師の声を聞き流していた。
852: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:09:33.48 ID:RQrE+LDDO
当然、女子生徒達の興味はカレンに向かう。
『どう思います』だの『あの方とはどういった関係なのですか』だの『ライバル出現ですね』だの、好き勝手にまくし立てられた。
853: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:11:17.65 ID:RQrE+LDDO
加えて、ライはあの性格だ。彼が色恋沙汰に関わるところは想像出来ない。シャーリーと一緒にいたのは多分、また買い出しか何かに付き合っていたからだ。後で訊けば正直に答えてくれるだろう。
だがどうしてか、気力が萎えるのは抑えられなかった。
854: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:12:21.12 ID:RQrE+LDDO
中には米を丸く握り、それを海苔で巻いたものが満載されていた。あれは日本の伝統料理である──おにぎりだ。
見慣れない料理をライはぼんやりと見つめており、何故かスザクはトラウマでもあるのか注意深く観察している。
855: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:14:45.59 ID:RQrE+LDDO
それが昼休みの出来事だった。変な気分を引きずったまま、今の今までぼーっと授業を聞いている。
人口密度はいつもより少ない。男子が別の教室を使用しているため、女子のみが残っている。
856: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:15:40.28 ID:RQrE+LDDO
シャーリーから目を離す。このまま彼女を見ていても自分に嫌気が差すだけだ。
なんとなく嫌な気分のまま時間は過ぎ、授業は終わった。
857: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:16:57.59 ID:RQrE+LDDO
「私は……あまりおしゃれについて詳しくないから」
控えめに言った。席を立ちたかったが、それを許さないほど強固な包囲である。うんざりとするカレンの様子に気づくことなく、彼女達の話は続く。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。