896: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:16:42.50 ID:xN9on8TDO
ライも椅子に腰を下ろし、持ってきた本を開く。後ろからスザクが覗いてきて、意外そうに尋ねてきた。
「料理の本?」
897: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:19:50.83 ID:xN9on8TDO
「大丈夫じゃないかな。ナナリーは出来る事と出来ない事をちゃんと分かっていると思うけど」
「同感だ。それらを認識しているからこそ、あの……おにぎり、だったか。危険の無い日本料理という選択をしたんだろう」
898: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:20:59.56 ID:xN9on8TDO
「ナナリーはあれで食欲旺盛だからな。しかも大衆料理を好む傾向がある」
「この間も餃子が好きって言ってたしね」
899: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:23:01.28 ID:xN9on8TDO
そう言うと、スザクは思いつめたような、沈痛な面持ちになった。
「……うん。正直、ナナリーのおにぎりは本当に安心したんだ。大切なものを思い出させてくれたっていうか」
900: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:25:56.60 ID:xN9on8TDO
「失礼な。僕達のどこが抜けているというんだ。リヴァルに体操着を奪われた結果、制服で体育の授業に出ていた君には言われたくない」
「そうだよ。いくら最近、ナナリーに構ってもらえないからって、その言い方はどうかと思う」
901: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:26:59.71 ID:xN9on8TDO
あーでもないこーでもないと言い合いを続け、結局は『ナナリーに決めてもらおう』ということで結論がついた。昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
本を閉じ、椅子を元に戻しながら、ルルーシュが嘆息した。
902: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:29:29.01 ID:xN9on8TDO
「いらっしゃーい!」
放課後になり、向かいの大学にある研究室にやってきた。軍服に着替えたスザクに連れられ、数台のシミュレータ・マシンがある部屋へ到着すると、白衣の男性に迎えられる。
903: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:31:02.60 ID:xN9on8TDO
『今日は新型武器のテスターをやってもらいたいんだ』
ナイトメアのコックピットと同じ、内部のレイアウトを懐かしむ間もなく正面モニタにロイドが映る。
904: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:33:45.62 ID:xN9on8TDO
ファクトスフィアを解放。露出したセンサー集合体が付近の湿度、風速、気温を読み取り、周辺の地形をスキャンして3D映像で表示する。
試射場に選ばれたのは深い森に囲まれた山岳地帯。天候は晴天。射撃には絶好の環境と言える。
905: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:35:47.91 ID:xN9on8TDO
少し遠い。四〇ミリ弾なら届くには届くが、直撃は非常に難しかった。山岳部特有の不規則な強風が砲弾を遮る天然の防壁となるからだ。
伝説的な狙撃手なら当てられるのかもしれないが、この距離を制覇出来るナイトメア・パイロットのスナイパーは現時点で存在しない。
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