899: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:23:01.28 ID:xN9on8TDO
そう言うと、スザクは思いつめたような、沈痛な面持ちになった。
「……うん。正直、ナナリーのおにぎりは本当に安心したんだ。大切なものを思い出させてくれたっていうか」
900: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:25:56.60 ID:xN9on8TDO
「失礼な。僕達のどこが抜けているというんだ。リヴァルに体操着を奪われた結果、制服で体育の授業に出ていた君には言われたくない」
「そうだよ。いくら最近、ナナリーに構ってもらえないからって、その言い方はどうかと思う」
901: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:26:59.71 ID:xN9on8TDO
あーでもないこーでもないと言い合いを続け、結局は『ナナリーに決めてもらおう』ということで結論がついた。昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
本を閉じ、椅子を元に戻しながら、ルルーシュが嘆息した。
902: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:29:29.01 ID:xN9on8TDO
「いらっしゃーい!」
放課後になり、向かいの大学にある研究室にやってきた。軍服に着替えたスザクに連れられ、数台のシミュレータ・マシンがある部屋へ到着すると、白衣の男性に迎えられる。
903: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:31:02.60 ID:xN9on8TDO
『今日は新型武器のテスターをやってもらいたいんだ』
ナイトメアのコックピットと同じ、内部のレイアウトを懐かしむ間もなく正面モニタにロイドが映る。
904: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:33:45.62 ID:xN9on8TDO
ファクトスフィアを解放。露出したセンサー集合体が付近の湿度、風速、気温を読み取り、周辺の地形をスキャンして3D映像で表示する。
試射場に選ばれたのは深い森に囲まれた山岳地帯。天候は晴天。射撃には絶好の環境と言える。
905: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:35:47.91 ID:xN9on8TDO
少し遠い。四〇ミリ弾なら届くには届くが、直撃は非常に難しかった。山岳部特有の不規則な強風が砲弾を遮る天然の防壁となるからだ。
伝説的な狙撃手なら当てられるのかもしれないが、この距離を制覇出来るナイトメア・パイロットのスナイパーは現時点で存在しない。
906: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:37:38.63 ID:xN9on8TDO
(──当たれ)
確信が持てないままトリガーを引く。火薬が炸裂し、砲弾が走り出す。それが内部の電磁力により加速しつつ、砲身に刻まれたライフリングで回転をかけられ、遠心力により安定。最善の状態にまで整えられた四〇ミリ弾が砲口から飛び出していった。
907: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:39:40.30 ID:xN9on8TDO
ロイドの指示に従い、<サザーランド>はライフルを後ろ腰のハードポイントに懸下する。そして新たにコックピット・ブロック脇に増設されたアームに格納してある武器を抜き放った。
『形状はただのショート・ソードだけど、切れ味は抜群だよ。今度は試し斬りをしてみて』
908: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:41:25.69 ID:xN9on8TDO
大型のナイフや剣に特殊な分子加工を施すことにより、戦車の装甲すら切り裂ける物は存在する。しかし、それらは安価な代わりに耐久性が低く、ここまでの鋭さは有していない。
チタンやセラミックを組み合わせた複合装甲を持つ近代兵器に、薄い剣身しかもたない武器ではあっという間に切れ味が劣化して折れてしまう。
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