11: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:51:03.33 ID:7IXBXgnJ0
バレンタイン。
2月14日に女性が親愛の情をこめて男性にチョコレートを贈る、というのが一般的だろうか。
現在は義理チョコ、友チョコなどと範囲は広がり、今では男性から女性に贈る逆チョコなんてものもあるらしい。
日本国内の年間のチョコ消費量の2割がバレンタイン近辺に集中することから、各製菓会社が義理チョコや友チョコ、逆チョコといった
12: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:53:44.24 ID:7IXBXgnJ0
とは言ってもだな……。俺も雪ノ下も多弁な方ではないから、基本的に話を振られて会話をするタイプだ。
それに加えて話題はバレンタイン。そんなリア充イベントに縁があると思うか?いや、ない!(反語)
その事に関しては雪ノ下も同様だろう。彼女の優れた容姿に魅せられた異性から好意を寄せられはしても
雪ノ下が誰かに好意を寄せるところはまったく想像ができない。
13: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:55:22.56 ID:7IXBXgnJ0
「ゆきのんは毎年バレンタインは誰かにプレゼントとかするの?」
「そうね……昔は家族にしていたけれど、最近は特にないわ。毎年クラスメイトの女子からいただいてばかりね」
「女の子から貰うんだー。ゆきのんモテモテだね! あたしもチョコあげるからね!」
14: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:57:22.97 ID:7IXBXgnJ0
「今年は……誰かにあげるの?」
由比ヶ浜が少しおずおずした、様子を窺うような調子で尋ねる。
相手の出方をみるような、自信のない事柄に対する確認作業のような、そんな口ぶりに聞こえた。
15: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:00:16.96 ID:7IXBXgnJ0
「ひとつだな」
「え、ウソ! もらったの!? 誰に!?」
答えた瞬間由比ヶ浜は驚愕の表情を浮かべ、その向こうの雪ノ下の肩がピクリと跳ねた後に
16: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:02:23.06 ID:7IXBXgnJ0
「まぁよくある話だ。中学の時にバレンタインデーの放課後、誰もいない教室に呼び出されたんだよ。
そこでクラスメイトの女子からチョコを貰ったってだけだ」
「ほえー……。そこで告白されたとか?」
17: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:05:35.93 ID:7IXBXgnJ0
貰った時はちょっとじゃなく勘違いして浮かれたが、冷静になると、いや冷静にならずともただの罰ゲームです。本当にありがとうございました。
てか泣いちゃうほど辛いのかよ俺とのふたりきりの空間って?
そんな罰ゲームを強要する女子のほうがよっぽどヒドイと思うんだけど?
18: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:08:08.93 ID:7IXBXgnJ0
「今日はここまでにしましょうか」
いつもどおりに雪ノ下の合図で部活は終わりの時を迎えた。
バレンタインの話のあとは雪ノ下の淹れてくれた紅茶を嗜み、いつも通り読書をして活動時間のほとんどを過ごした。
19: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:10:41.96 ID:7IXBXgnJ0
目指すはグラウンド近くに設置されている自販機コーナー。部室棟にも近いからか、運動部の練習後であろう連中が
たむろしているのが遠目から見えた。
サントリー、キリンと並んでおっ、あるぞあるぞコカコーラ。やっと出会えたぜ。心の友よ〜。
大長編のジャイアンってなんであんな良いやつなの?普段はバットで殴りかかってくるんだぜ?
20: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:14:54.34 ID:7IXBXgnJ0
「……先輩?何シカトしちゃってるんですか?」
「……一色、奇遇だな」
MY自転車の荷台に一色いろは、わが校の生徒会長が両手でしがみついていた。
21: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:17:10.49 ID:7IXBXgnJ0
「先輩は今から帰りですよね? よーし一緒に帰りましょー」
「待て一色。俺チャリ。お前歩き。OK?」
「いや……それはわかってますけど。どうしたんですか先輩?輪をかけて変ですよ?」
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