過去ログ - ほむら「告別」
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91:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:26:36.40 ID:PVCiXxqLo

 じゃり。
 泥を踏み潰す音が、足音になってあたりに響く。

 まだここには、外からの光が届いていた。
以下略



92:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:27:36.11 ID:PVCiXxqLo

 窓も教室の扉も閉め切られた廊下は、当然のように灯りも落とされていた。
 スイッチを入れてみたけれど、無駄な抵抗だった。

 窓を通して外から明りが供給されているために、この辺りは真っ暗という訳ではなかった。
以下略



93:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:29:34.70 ID:PVCiXxqLo

 だんだん。だんだん。
 まるで見えない手が外から窓を叩いているようだった。
 どんどん。どんどん。
 弾けた赤黒い雨粒は窓の上に広がって、妙な図形を作って消える。
以下略



94:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:30:34.72 ID:PVCiXxqLo

 だんだんだんだんだん。

 どんどんどんどんどん。

以下略



95:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:31:46.00 ID:PVCiXxqLo

 引き戸の向こう側。
 何も考えずにそこをくぐった私は、自分の目を疑った。

「……病、院?」
以下略



96:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:33:06.59 ID:PVCiXxqLo

 少し、温度が低いようだった。
 ようやく落ち着いた頭に浮かんだのは、そんなことだった。
 ひんやりとした空気を背筋に感じて、私は思わず身体を震わせる。

以下略



97:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:33:57.03 ID:PVCiXxqLo

 風の存在について、考えられることは二つ。
 どこかの通用口が外に通じているか。
 もしくは、誰かがどこかで派手に暴れているか。
 空気が掻き回される理由は、それしかない。
以下略



98:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:35:36.11 ID:PVCiXxqLo

 カツ。
 泥も落ち、雨も乾いたのだろうか。
 足を踏み出すと同時に、いやに鮮やかな音があたりに響いた。

以下略



99:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:37:12.10 ID:PVCiXxqLo

 コツン、コツンと、一段ずつ。
 私は階段を下りていた。

 風の流れは、下からだった。
以下略



100:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:38:11.28 ID:PVCiXxqLo

 階段を降り切った。
 半開きのドアの向こうは、もう地階だ。
 
 取っ手は妙に温かかった。
以下略



101:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:39:05.31 ID:PVCiXxqLo

 ふら、と、足元が揺れた。
 視界が斜めに傾いで、そのまま落ちていく。
 その隅っこに、なんとか、その声の主を捉える事が出来た。

以下略



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