過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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198: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:43:31.93 ID:s8phhYh5O
「え、未央、この人いったい誰……?」

凛が声のトーンをやや落として耳打ちするように問うと、

「いや〜、私がオーディションを受けた日に、走っててぶつかりそうになったんだよね」
以下略



199: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:44:13.02 ID:s8phhYh5O
その隣では、卯月が大きな体格の銅を見て、

「あれっ? あなたはこないだの……」

「あら、やっぱりあの日のコ? いやーあの刻は携帯の電池切れちゃってたから助かったわ〜。アリガトね」
以下略



200: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:45:22.04 ID:s8phhYh5O
「あ、私たちのこと、社長が直々にプロデュースするわけではないんですね」

「経営者ともなるとやらねばならないことが増えてしまってね。私としては前線に立っていたいとは思うのだが」

凛の、やや驚きを込めた呟きに、社長は複雑そうな表情をして目尻を下げた。
以下略



201: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:46:11.59 ID:s8phhYh5O
Pはそれを横目で見送ってから、凛の前まで歩み寄る。

「どうやら俺が君のプロデュースを担当するようだ。初めての経験だが、二人力を合わせていこう。宜しくな」

先日渋谷で会った刻とは違う、爽やかに着飾ろうとする云い様に、凛はやや呆れた様子。
以下略



202: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:46:44.29 ID:s8phhYh5O
Pは、ここで初めて、目の前の美しい少女の名を知ることとなった。

「私は渋谷凛。今日からよろしくね」

それは、変に愛嬌を振りまくこともなく、気取ることもない、端麗―クール―な名乗り。
以下略



203: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:47:14.26 ID:s8phhYh5O
相変わらず、何を考えているのかよく判らない無愛想な表情で、右手を差し出してきた。

勿論、何かをねだる仕種ではない。

凛の方から握手を求めてくるなど、Pは意外に思ったのか、目を少しだけ大きくした。
以下略



204: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:53:34.47 ID:s8phhYh5O


――

「さて、ではそろそろスタジオへ向かいましょうか。プロデューサーの皆さんも、一緒についてきてください」
以下略



205: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:54:02.76 ID:s8phhYh5O

ほどなくしてスタジオへ到着すると、社長以下男性陣は、打ち合わせと称して別の部屋へ入って行った。

凛たちは先日と同様、更衣室で着替え、鏡張りの壁の前で、明・慶と正対する。

以下略



206: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:54:38.65 ID:s8phhYh5O

本日のメニューは、ダンス。

柔軟運動ののち、基礎のステップ、また同じく基礎のスタイルポジションの講義を受け、いざ実践へと移ると――

以下略



207: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:55:08.71 ID:s8phhYh5O
この年頃の者にとって、一週間の集中と云うものは意外と大きい。

実際、持久力や筋力が、わずかではあるが、実感できるくらいには伸びていた。

朝、通学電車へ乗り遅れそうになって駅の階段をダッシュしても息切れしにくくなったし、
以下略



208: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:55:49.09 ID:s8phhYh5O

ダンスとは、見た目以上に過酷な運動である。

数十キロある人間の体躯を、或る刻は飛び跳ねさせ、また或る刻は不安定な姿勢のまま支える。

以下略



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