過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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120:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/17(土) 23:35:59.71 ID:Fo0b5EMEO

あれ?

確かに、記事を読んでいて引っ掛かったことが一つあった。
だが混乱していた俺の優秀な頭脳は、何に引っ掛かったのかをその時はもみ消してしまった。
以下略



121:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 00:00:29.07 ID:jk9APLDMO

俺が当てにしていたのは、ここに在勤していた当時、仕事の関係で付き合いのあった不動産業者だった。

一代で事業を成功させて財を築いた、地元では指折りの名士だ。市会議員も1期務めたことがある。
親子ほども年下の俺に何かと親切にしてくれたし、ホームパーティーにも招かれている。
以下略



122:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 00:13:42.09 ID:jk9APLDMO

「D.C.F開発」…… 少なくともまだ会社はある。俺は何から話すべきか内容を頭の中でまとめてから、その会社にダイヤルした。

コール1回で電話がつながり、受付の女性が出る。ニュース記事で俺の名はまだ出ていなかったが、やはり名乗るのはためらわれた。

以下略



123:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 00:31:37.60 ID:jk9APLDMO

出ない。呼び出し音だけが延々と続く。


コールが30回を超えたと思ったところで、俺は受話器を置いた。
以下略



124:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 00:47:46.62 ID:jk9APLDMO

カフェの外に出ると、強い日差しに目がくらんだ。

バッグの底から引っ張り出した花粉防止用マスクを着用する俺の横を、パトカーがサイレンを鳴らして走り過ぎる。二の腕から肩にかけて鳥肌が立った。

以下略



125:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 01:08:35.11 ID:jk9APLDMO

門扉の向こうでは年配の女性が箒で舗道を掃いていたが、見覚えはなかった。恐らく使用人だろう。俺はその女性に声をかけた。


「すいません、お忙しいところを。クラインフェルド社長はご在宅でしょうか?」
以下略



126:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 01:19:06.78 ID:jk9APLDMO

「俺さんとおっしゃるんですね?」

「はい!」

以下略



127:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 01:25:03.17 ID:jk9APLDMO

「貴様か? 朝っぱらから、俺が気絶するかと思うほど家の電話を鳴らしおったのは!」

「? は、はい、私です。お騒がして申し訳ありません!」

以下略



128:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 01:46:10.59 ID:jk9APLDMO

同時に俺は、足元の地面が崩れ落ちていくような落胆とともに、老人の顔色を変えた理由が何なのかを悟った。

女性は恐怖を帯びた一瞥を俺に投げて背を向け、小走りに玄関の奥の暗がりへと姿を消した。力任せにドアを閉める激しい音が続く。

以下略



129:名無しNIPPER[saga]
2015/10/19(月) 00:23:07.14 ID:h24hYKe/O

老人が門扉に歩み寄り、銃口を俺に向けたまま留め金をはずして、鉄柵を片方だけ内側に開く。


「動くな。そいつを蹴ってこっちへ寄越せ」
以下略



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