過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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159:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 13:38:06.77 ID:L2JYOk6hO

俺は1車線道路を、海の見える方角に向けて走りだした。

とにかく人のいるところへ。俺の叫びを聞いてくれる人がいるところへ!

以下略



160:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 22:46:50.78 ID:BjzfPPJeO

足元が砂利道に変わったのに気付かず、俺はバランスを崩して転んだ。手のひらを軽く擦りむいて血がにじんだ。

ズボンの埃をはたきながら立ち上がる俺の目の前を、タンブルウィードが嘲笑のような音を立てて転がっていく。

以下略



161:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/25(日) 22:51:29.05 ID:BjzfPPJeO

「あんた誰?」

「俺は新選組一番隊隊長沖田総司。刀を拾え」

以下略



162:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/25(日) 23:09:00.34 ID:BjzfPPJeO

男は眉根に皺を寄せ、ありったけの軽蔑と憎悪を顔に表した。これほどにも憤怒をあらわにした表情を向けられるのは、生涯を通じて初めてだった。


「貴様、逃げたであろうが。この卑怯者め」
以下略



163:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/25(日) 23:31:52.39 ID:BjzfPPJeO

恐怖でこわばった舌の付け根を引きはがすようにして、俺は問うた。


「あんたがルイーズを殺したんだろ?」
以下略



164:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/25(日) 23:45:24.69 ID:BjzfPPJeO

追いすがる侍の、藪を駆け抜ける音が背後に迫る。半ば諦め気分で身を起こそうと試みた時にようやく、投げ渡された刀を自分が握り締めているのに気付いた。


「そんなに死ぬのが怖いか。この腑抜けめが」
以下略



165:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:15:57.02 ID:/K0HTZYAO

男が指さす方向には緩い下り坂が、灰色の砂と石で覆われた空き地へと続いている。空き地は運動場ほどの広さがあった。

その空き地の真ん中に、歪んだ楕円を描いてベルトコンベアーのようなものが回っていた。

以下略



166:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:24:30.85 ID:/K0HTZYAO

「食欲なんかない」

「腹が減っては戦ができんと言うぞ」

以下略



167:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:32:30.20 ID:/K0HTZYAO

俺は男に支えられ、空き地までの坂を下った。そしてそのまま、食いたくもない昼メシの屋台に引きずられていく。
男の、胸がむかつくような汗の匂い。だが、離せと言ってもこの男は聞きはしまい。


以下略



168:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:40:22.25 ID:/K0HTZYAO

ルイーズが言ったように、罪なくしても受け入れなくてはいけない裁きがあるのだろうか?
俺はそんな世界に生きてきた覚えはなかったのだが。


以下略



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