過去ログ - ?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」
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381:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 19:55:24.66 ID:UfjCkp3qo
一応百合スレだったような


382:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:00:14.88 ID:rSFTIGAzO
お姉ちゃん。その言葉はいつだって少女について回った。目の上のたん瘤みたいなものだった。

 少女は自身の姉のことを快く思っていなかった。どころか、嫌ってすらいたかもしれない。発端が何であったのか、今となっては思い出すことも難しい。両親の別居という事実も二人の溝を深くし、更に拍車をかけていたことだろう。しかしそれでも、姉のことを遠ざけていたのは他ならぬ自分自身だった。こちらが一方的に遠ざけて、撥ね付けて、向こうの言葉になど耳を貸さず、塞ぎ込むように周囲からの歩み寄りを遮断した。

 ふとした時、少女は思う。どうして自分はこんなにも弄れているのだろうかと。もう少し、あとほんの少しだけ素直でいられたなら、こんな事にはならなかったのかもしれないのに。
以下略



383:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:01:20.13 ID:rSFTIGAzO
でも、それでも。

 考えてしまう。望んでしまう。

 再び家族で笑い合える日が来ることを。姉と、笑い合える日が来ることを。
以下略



384:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:04:14.84 ID:rSFTIGAzO
長野県、清澄高校。特に進学校というわけでもない普通の一般高校に、宮永咲という少女は通っている。黒髪のショートカットに物静かな雰囲気、そして小脇に抱えた文庫本がいかにも文学少女という印象を与える彼女だが、文学部に所属しているわけではない。意外なことに、彼女の所属している部活動は麻雀部である。
 
 野球、サッカーと並ぶ人気競技である麻雀の競技人口は数億人にまでのぼる。咲もまた、麻雀に魅せられた少女の一人だった。

 一体いつから彼女が麻雀を始めたのか。それはもう十年も昔に遡る。元は咲の姉、照が麻雀を始めたことが切っ掛けだった。幼い頃から姉について回っていた咲が同じ競技をやりたいと言い出すことは両親も想像に難しくなかったようで、姉妹揃って麻雀教室に通うようになったのである。それ以来、咲の人生は麻雀と共にあったと言っても過言ではない。朝から晩まで打つことなどしょっちゅうで、その度に母や父に怒られていた。しかしそれすらも家族のふれあいとして咲は楽しんでいたし、姉や両親も最終的には付き合ってくれた。
以下略



385:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:05:40.28 ID:rSFTIGAzO
頭二つ分は離れていようかという身長差の二人は肩を並べながら、木造校舎の廊下を歩く。

「そういやコクマの代表に選ばれたんだろ? おめでとう」

 ふと思い出したのか、京太郎はそう言って笑みを浮かべた。それに対し、咲は照れながらも感謝の言葉を返す。
以下略



386:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:07:42.27 ID:rSFTIGAzO
教室のドアを開いて、それぞれの席に着いたところで京太郎と咲に声が掛けられた。因みに二人の席は窓側最後列で隣同士である。

「おはようございます宮永さん。須賀君」

「おはよー和ちゃん」
以下略



387:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:10:09.87 ID:rSFTIGAzO
「きょ、京ちゃん。あのね、相談があるんだけど……」

 中学三年生。まだ咲と京太郎が付き合っていない、仲の良い友達同士だった時の話。

 放課となり、さっさと帰ろうと荷物を纏める京太郎の元へ、どこか様子のおかしい咲がやってきた。
以下略



388:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:12:14.76 ID:rSFTIGAzO
「……で、なんて答えたんだ?」

「…………」

 そう問いかけた途端、咲は俯いてしまった。
以下略



389:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:14:05.65 ID:rSFTIGAzO
「……うぅん。〇〇君は良い人だとは思うけど、私、好きな人居るから」

「え、ええ!? お前好きな奴居たの!?」

 咲、突然のカミングアウト。
以下略



390:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:14:39.94 ID:rSFTIGAzO
修正

「わ、わかった……」

 不安が顔に出まくっている咲に内心で不安を覚える京太郎だったが、やるときはやる少女であることもまた彼は知っている。きっと大丈夫だろうと自分に言い聞かせることにした。


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