過去ログ - 八幡「346プロダクションに入社した」
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102:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:11:29.46 ID:NHCPGKpZ0
3年。3年間もの時間、この子は光の当たらないところで努力してきたのか。アイドルという夢に対するあこがれだけでそこまで我慢し続けてきたってことか。
自分が輝く姿で周囲に希望を振りまく存在。それがこの子があこがれ続けてきたアイドル。だとすれば、俺の前にいるこの夢見がちな少女は、すでに立派なアイドルだ。見ているだけで元気がもらえる。応援したくなる。アイドルを追いかけるオタクたちの気持ちが俺にも少しわかった気がした。


「その意気だよしまむー!補欠合格同士頑張らないとね!」
以下略



103:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:13:00.17 ID:NHCPGKpZ0
数日後、俺はプロデューサーがいるフロアへと向かっていた。
3人に聞いたデビューの話の資料は、今日本当に俺の方にも流れてきた。つまり、これから加速度的に忙しくなっていくということになる。なんたって14人もの仕事を管理していかなければいけないのだ。ならばデビューのスケジュールなど大まかなものを聞いておきたいと思ったのである。

「失礼します」

以下略



104:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:14:34.12 ID:NHCPGKpZ0
「14人は1つのプロジェクトとして売り出していきますから、間があいてしまうことは好ましくないと考えています。なので、ある程度は間隔を詰めてデビューさせていこうかと」


なるほど。まだこの業界に入って日が浅い俺がでしゃばるべきではないのかもしれない。プロデューサーの中には明確なビジョンがあり、それはどうやら道理にかなったもののように思える。実は、無能な上司に当たってしまうという心配をしていたのだが、どうやら杞憂だったようだ。
でも行動に移す前に教えてくれませんかね。ホウレンソウは常識だって新入社員の僕でも知ってるんですが。
以下略



105:名無しNIPPER[sage]
2015/10/18(日) 23:15:37.64 ID:XJjoqmsro
待ってた!!


106:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:15:46.11 ID:NHCPGKpZ0
やってきたエレベーターには誰にも乗っていなかった。とりあえず事務員のフロアを指定し、閉じるボタンを押す。閉まる扉をぼーっと眺めながら今日の夕飯は何だろうかと考えていると、大きな手が生えてきて扉の進路を阻んだ。


「うお!?」

以下略



107:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:16:25.08 ID:NHCPGKpZ0
件の喫茶店まで駆けつけると、結構な人だまりができていた。
どうやら店を占拠しているのは猫の子のようだった。前川、とかいっただろうか。メガホンを持って、机で作ったバリケードの中に立っていた。


「みくちゃん、もうやめよ?みんな困ってるよ」
以下略



108:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:17:29.67 ID:NHCPGKpZ0
足が動いた。勝手に、ではない。俺の意思に従って進む。バリケードによって塞がれた喫茶店の入り口に向かって。
前川は、突然近づいてきた俺に驚いたのか、抗議の言葉をやめてこちらを見つめている。


「お前さ、どれくらい頑張った?」
以下略



109:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:20:09.88 ID:NHCPGKpZ0
そうだ。だから前川がここまで焦りを感じる必要などないのだ。
俺もさっき聞いたばかりで、寧ろデビューすると聞いて少し焦ったくらいである。


「え…?」
以下略



110:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:21:07.39 ID:NHCPGKpZ0
しばらく一人でしゃがみ込んで悶えていたが、小さい影が寄り添って、ぽんっと肩をたたいてきた。


「まあ、ドンマイ。普通伝えてると思うもんね」

以下略



111:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:22:41.51 ID:NHCPGKpZ0
今回はここまでです。
杏可愛いよ杏


112:名無しNIPPER[sage]
2015/10/18(日) 23:23:59.38 ID:Mkykij6wo
乙です!
頑張って


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