1:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:22:44.77 ID:lTYqn5zV0
「……………何?」 
  放課後の教室。プリントの上で腕を動かす事を止めると、彼女はそう言った。 
  彼女をじっと見つめたまま僕は言う。 
 「何、ってこっちのセリフだよ。なんで手を止めているんだい?そのプリントが終わらないと僕達は帰れないんだけど」 
  僕は今、居残り勉強をさせられている彼女を、教室で二人きりで待っていた。 
  
  
  
 ※完全オリジナルです。
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2:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:23:59.02 ID:lTYqn5zV0
 「いや、だから先に帰っててって言ったじゃん。あと、そんなにじっと見られてたら集中できない」 
  彼女は僕のことをうざったがるように喋った。 
 「察してくれよ、君と一緒に帰りたいのさ」 
  僕のその一言で、彼女は頬をピンクに染めた。 
  可愛いなぁ。 
3:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:24:36.25 ID:lTYqn5zV0
  臆することなく僕は言ってのける。 
 「聞こえなかったかい?『君のパンツの色を推理していたんだ。』三度は言わないよ」 
 「三度も聞きたくない!アンタ何言ってるか解ってる!?」 
  彼女がシャーペンを手離して机を叩く。 
 「決めた。君の今日のパンツは純潔の白だ」 
4:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:25:18.02 ID:lTYqn5zV0
 「じゃあオセロで決めよう。負けた方は勝った方の言うことをなんでも一つ、聞くこと」 
  僕はスマホの電源を入れた。 
 「するわけないで……ちょっと待って今アンタなんでもって言った?」 
  彼女がこちらに顔を向け直した。 そういうリアクションをすると思った。 
 「うん。言った」 
5:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:25:52.19 ID:lTYqn5zV0
 「宣言しよう!僕はこの勝負に勝った暁には君にこう命令を下そう!『パンツを見せろ』とな!君の家に干しているパンツじゃないぞ!スパッツでもないぞ!いやそのどちらかでも十分嬉しいけれど! 
 僕が要求するのは!僕が命令するのは! 
 君が今、直に穿いているパンツだ!」 
  僕は言う。笑顔で。 
 「それでも、やるかい?」 
6:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:26:32.07 ID:lTYqn5zV0
 「じゃあ先攻後攻を決めようか」 
  僕はポケットから、オセロの石を一枚取り出した。 
 「……?何?オセロはこのスマホでやるんじゃないの?」 
  彼女が訊ねる。 
 「そうだよ?この一枚は先攻後攻を決めるためにつかうのさ」 
7:名無しNIPPER
2016/02/12(金) 22:27:17.38 ID:lTYqn5zV0
 「こうやって」 
  僕はオセロの石をコイントスのように上に弾いて、落ちてきたところを、素早く手で覆った。 
 「そして相手は、表が白か黒かを当てる。当てたら先攻。外したら後攻」 
 「解ったわ」 
  彼女は了承した。了承してしまった。 
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