519: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:18:54.58 ID:jS9uIrpkO
美紀「ずるいです。こんなに下手なのに……」
由紀「まだだよ」
520: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:20:43.50 ID:jS9uIrpkO
卒業式と卒業旅行の準備が終わった。教室には五つのパイプ椅子が並べられ、黒板には卒業生四名の名前と永井のイニシャルが綴られている。その横には、永井の顔の特徴をよく捉えたイラストがデフォルメされ描かれていた。これは美紀が作したものだった。
教壇の飾り付けを終えた胡桃は、教室の外のプレートの下に会場案内の書を貼りに行った永井がまだ戻ってこないことを訝しんだ。様子を見に行くと、ドアのすぐ横の柱に貼られた半切があるだけのがらんどうの廊下だけが残されていた。
521: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:21:44.91 ID:jS9uIrpkO
胡桃「つーか、なんなんだよ、あいつ。卒業式バックれたうえに発砲って。不良かよ」
美紀「不良はふつう拳銃は撃たないと思いますけど」
522: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:22:49.74 ID:jS9uIrpkO
由紀「でも、太郎丸にはやさしかったよね」
美紀「……そうですね」
523: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:24:16.38 ID:jS9uIrpkO
−−校庭
トヨタ・クラウンは昇降口の手前に停車していた。助手席のドアは開いていて、永井はシートに対して横向きに腰かけている。学園生活部の四人は校舎の天辺まで見納められる場所に一列に立ち、深々と頭を下げた。胡桃が他の三人よりさきに頭を上げ、こぼれた涙をすっと拭う。
524: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:25:44.40 ID:jS9uIrpkO
美紀のひらき直った発言に、いよいよ永井もあきらめがついた。
永井「いいよもう、好きにして」
525: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:26:45.52 ID:jS9uIrpkO
自動車が校門の手前にさしかかった。そのとき、校門を通って外から学校にやって来たものたちの中に、見覚えのある姿をしたものがいるのを美紀は見つけた。“かのじょ”は美紀の乗っている車には興味を示さず、よろよろとした足取りでまっすぐ校舎に向かって歩いていく。
美紀「あ……」
526: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:28:04.70 ID:jS9uIrpkO
校門の前までたどり着き、胡桃は車を徐行させ、ウインカーを出し左右を確認した。
永井「なんでウインカー出してるんだよ」
527: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:48:37.67 ID:jS9uIrpkO
以上で本編は完結です。ここまでお読みくださって本当にありがとうございました。いただいたコメントもたいへん励みになりました。
そもそものこのクロスオーバーを書こうと思ったきっかけは、『亜人』と『がっこうぐらし!』の5巻の終わりの描写がなんとなく似てるところにありました。戸崎に「何が目的だ」と問われた圭が返した言葉が学校に関わることであったこと、学園生活部ほどの思い入れがあるわけではなさそうだけど、学校生活を取り戻すべき日常の象徴としての見ているという点ではけっこういい感じにクロスしてくれそうだなと。それに、永井の名前とみーくんの友達のケイが同じ読み、同じ漢字なこともありましたし。
しかし、完結にここまで時間がかかるとは予想外でした。しかも、後半になるに従って更新速度がどんどん遅くなっていくし……。改めて、遅筆をお詫びいたします。
528:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 16:17:03.60 ID:JtePnH3S0
おつー
529:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 17:04:48.58 ID:qrPsWCeto
乙
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