過去ログ - 強い想いがあったなら
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6:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:06:21.06 ID:r/YI2ILr0
 瞼を開けると、そこはいつもどおりの下校道だった。
 今、なんか長い夢を見ていた気がするけど・・・気のせいか?
 そんなことより、僕は生きている!
 なんだ、てっきりダンプカーに轢かれて死んじゃったと思ったよ。

以下略



7:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:09:14.39 ID:r/YI2ILr0
 幽霊という体は、やることがなさすぎてとても退屈だった。
 何を触っても通り抜けてしまうし、誰にも相手されない。
 それこそ、最初はノリノリで女子風呂を覗いたり、夏美の生着替えを近くで見つめたりしたさ。
 それは純粋に楽しかった。
 しかし、そんな行為も一ヶ月も続くとすっかりやる気すら失ってしまった。
以下略



8:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:13:11.10 ID:r/YI2ILr0
−−−

「コイツが死んで、もう一ヶ月か・・・・・・」

 俺は力無く呟きながら、墓石に水をかける。
以下略



9:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:16:29.69 ID:r/YI2ILr0
「春樹君・・・・・・」
「もう一ヶ月・・・・・・早いよな。まだあの日のことを忘れられねえよ」

 花を供えながら呟く。
 本当に、あっという間だ。今でも、瞼を閉じればあの光景が余裕で思い浮かぶ。
以下略



10:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:19:25.15 ID:r/YI2ILr0
−−−

 夏美が、僕のことが好きだって?
 僕は驚きのあまりその場に立ち尽くしてしまった。
 信じられない。彼女が僕のことを好きだなんて、信じられないよ。
以下略



11:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:22:30.27 ID:r/YI2ILr0
「僕のことが、見えるんですね!?」
「だから見えると言っておろうが。わしを馬鹿にしとるのか」
「ははっ・・・久しぶりに人と会話できたっ・・・・・・」

 僕は老人の肩を叩こうとしたが、もちろんすり抜ける。
以下略



12:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:25:20.64 ID:r/YI2ILr0
「なッ・・・・・・笑わなくていいじゃないですか!」
「いやいや・・・はははっ・・・青春しているな〜と思ってな」
「恥ずかしい・・・・・・」
「良いじゃないか。そこまで強い思いを持てる君の未練は自ら解決することで、成仏できそうじゃのう」

以下略



13:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:27:46.12 ID:r/YI2ILr0
−−−

「はぁ・・・・・・」

 俺は適当にパソコンの画面をスクロールする。
以下略



14:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:30:36.64 ID:r/YI2ILr0
『あきと ぼくだよ はるきだよ』

「はぁ?」

 いたずら、にしては趣味が悪い。
以下略



15:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:33:01.24 ID:r/YI2ILr0
「なんで・・・・・・」

『なんでじゃないよ ぼくなんだってば ゆうれいになったんだよ』

 俺はあんぐりと口を開けた。
以下略



16:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:36:30.85 ID:r/YI2ILr0
『ぼくはほんとうにゆうれいなんだよ いまきみのうでだけにひょういしてる』

 は・・・ははは・・・・・・だめだ。もう頭が理解できない。
 俺の顔は引きつった笑みを浮かべる。

以下略



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