過去ログ - モバP「二兎追い人の栞」
1- 20
26:名無しNIPPER[sage]
2016/04/11(月) 05:58:27.87 ID:OfnD3pHj0
久々だな待ってたぜ
今作はもちろん次作も今から楽しみ


27:名無しNIPPER[sage]
2016/04/11(月) 08:32:11.56 ID:OnLIU9s70
待ってた



28:名無しNIPPER[sage]
2016/04/11(月) 22:23:11.30 ID:ea8+5bEAO
待ってたかいがあるってもんだぜ!ちょっと過去作読み直してくるわ!


29:名無しNIPPER[sage]
2016/04/11(月) 23:53:23.31 ID:vT+T580eo
また楽しみが増えてしまった


30: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:46:12.13 ID:k7FwQOIQo
□ ―― □ ―― □


「今回の経済コラム、読ませてもらったよ。良くできてる、まあ誤字とか、表現の一部はこっちで変えさせてもらったけどね。確認してくれるか」

以下略



31: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:46:48.76 ID:k7FwQOIQo
(ここまで褒められるほどのものじゃないと思うんだけどね……)

 内心そう思ったところで、ニコニコ顔の編集長に言うわけにもいかず、僕は受け取ったタブレットから自分の書いたコラムを読み始める。

 書いていることは他愛もないことだ。僕の知っていること、本を読んで知ったことを、つらつらと書き連ねただけ。円安だとか、原油価格だとか。専門家からすれば、何をいまさらな内容で。
以下略



32: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:47:16.71 ID:k7FwQOIQo
『……はい、これで問題ありません。すみません、いつもお手数をおかけして』

「なに、こういうのが編集者の醍醐味だからね。全く校正の必要がないなんて、それこそつまらん。俺の存在意義を奪わんでくれよ、はっはは」

 タブレットを返しつつ僕が言えば、編集長は酷く上機嫌な様子でそう返す。それに、僕は苦笑というか、愛想笑いというか、なんとも微妙な笑みで返しながら、稿料と書類の入った封筒の中身も確認せず、リュックに突っ込んだ。
以下略



33: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:47:44.75 ID:k7FwQOIQo
『ええと、特には。……変わり種っていうのは?』

 僕が訝しむような表情をしていると、編集長は少し笑って、

「はは、そうびくつかんでもいい。マグロ漁船に乗せようってんじゃないさ。実は俺の古い友達が最近妙なことを始めてね」
以下略



34: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:48:21.67 ID:k7FwQOIQo
「まあ、正直俺も良くわからん。いつも突然連絡が来て、やれこういうものはないのかだの、それこういう奴はいないのかだの、ごり押し千万でね」

 今回も数日前にいきなりこのメールが来て、もうてんやわんやさ。そう、編集長は困ったように、しかし嬉しそうに言った。まるで、頼られることがとても嬉しいことのように、だ。

 正直、気乗りはしなかった。なんだか、自ら台風のただ中に突っこんでいくようなものだと感じている。それでも――なぜか、引き受けたほうがいいような気が、していたのだ。
以下略



35: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:48:49.77 ID:k7FwQOIQo
(なにせ、好きなことしかやらない我がまま野郎だからなあ……)

 人から見れば、そういう僕は人間だ。そして自分でもそう思う。それでいいと思っているのだから、なおの事救いがない。そんな扱いづらい人間を、どうしていつも使ってくれるのかは、良くわからないけれど。

 だからこそ、こういう無茶苦茶な話に縁があるのかもしれない。僕は、ゆっくりと息を吐きだして。
以下略



36: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/12(火) 22:49:19.93 ID:k7FwQOIQo
「んじゃ、あとでメール送っておくぜ。忙しい奴だから、もしかしたらちょっと連絡がつくのに時間がかかるかもしれないけれど。それでも、数日中には連絡が入るだろうよ」

『はい、ありがとうございます』

 僕はぺこり、と頭を下げた。少し眼鏡がずり落ちそうになる。それを右手の中指で押さえつつ、顔を上げて。そして、今度こそお暇しようと立ち上がる。
以下略



165Res/170.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice