過去ログ - 高垣楓「想い」
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1: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:40:38.26 ID:7hYW2Gbh0
※モバマスSSです。
※高垣楓「白い地にて」の続きになります。ローカルネタ注意。
※今回から地の文あり。モブが出ます。
※書き溜めもしてますが、前回から間が空きすぎてしまったので途中で投下します。



あらすじ
プロデューサーの地元で仕事をすることになった楓さん。
趣味の温泉巡りを活かしたリポートの仕事は大成功。
そのままロケをした宿に泊まった二人はささやかな祝杯を挙げた。
次の朝、窓の外は一面の白。
吹雪で帰れなくなったプロデューサーは観念して有給を取ることに。
急なオフをアイドルと二人どのように過ごすのか。

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2: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:43:00.09 ID:7hYW2Gbh0
 折角早くに目が覚めたのだからと朝風呂に行くことにした。

「いやぁ、朝風呂なんて久しぶりです」

 スリッパをパタパタと鳴らしながら静まり返った廊下を歩いていると、隣のプロデューサーがしみじみと言った様子で口を開いた。
以下略



3: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:44:49.90 ID:7hYW2Gbh0
 慌てて女湯の方へ向かうと、後ろから少し残念そうな声で「混浴だったら良かったんですけどね」という彼にしては珍しい軽口が聴こえてきた。

 そう、真面目で勤勉なプロデューサーはこういう時に不意打ちをしてくる。

「ずるいです、プロデューサーは」
以下略



4: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:46:24.50 ID:7hYW2Gbh0
「随分と長く入っていたんですね」

 支度をして出ると、プロデューサーが近くの休憩所で待ってくれていた。

「はい、ここのお湯、気に入りました」
以下略



5: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:48:20.52 ID:7hYW2Gbh0
 今日一日、一緒にいる間は出来るだけ余計なことを考えずに過ごして欲しかった。

 でもそれは私だけの自己満足、というより我儘でしかないと思う。

 最近はお仕事を多く頂けるようになり、うちのプロダクションも忙しくなってきた。所属するアイドルも増えてきて、プロデューサーは特に経験の浅い子達を中心に同行することが多いため、比較的年長者である私や古参のアイドルは自分たちで現場に向かい、お仕事をこなす機会が増えてきた。
以下略



6: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:49:29.10 ID:7hYW2Gbh0
「それじゃあ朝食に行く時にまた声をかけますから......楓さん?」

「えっ?あっ、は、はい」

 またしてもいつの間にか部屋の前に着いていた。今日はいつもより考えることが多いので、またこんなことがあるかも知れない。
以下略



7: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:51:22.93 ID:7hYW2Gbh0
 朝食会場にも早めに入ったため、それほど人は多くなかった。沢山食べる方ではないので、適当に見繕って近くの席に着いて彼を待っていると、後ろから声を掛けられた。

「あ、高垣さん、おはようございます」

「あ、おはようございます」
以下略



8: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:52:23.22 ID:7hYW2Gbh0
 突然彼の名前が出てきて驚いたが、彼女が考えている事が手に取るように分かる。まあ、年頃の男女が二人でいるのだから、何かを期待してしまうのは自然の摂理だろう。

「安心して下さい!私、口は堅いですから」

「は、はぁ」
以下略



9: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:53:44.32 ID:7hYW2Gbh0
とりあえずここまでです

短くて申し訳ない

副業忙しい
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2016/04/24(日) 00:00:06.49 ID:MW5u1Db7o
想いは重い


11: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/24(日) 00:01:52.79 ID:dMNJmZED0
>>10
あ、楓さんだ


12:名無しNIPPER[sage]
2016/04/24(日) 00:35:52.31 ID:vbILhuwAo
乙です


13: ◆kbUNpGyKq6[sage]
2016/05/09(月) 00:54:54.28 ID:mfzAERao0
 身支度を整えて出発する頃になっても外は相変わらず真っ白で、玄関先に停まっているタクシーがやっと見える程度だった。
 プロデューサーがチェックアウトに行っている間、何の気なしに壁に貼られた観光情報のポスターを見ていると、丁度今時期に開催しているものがあった。
「これは綺麗ね」
 雪原にイルミネーションを配置して、ショータイム中には音楽に合わせて光るという。北海道の冬のイベントと言えば雪まつりくらいしか知らない私にとっては、興味を引かれるものだった。


14: ◆kbUNpGyKq6
2016/05/09(月) 00:57:43.53 ID:mfzAERao0
「お待たせしました」

 詳しい内容を確認する前にプロデューサーが戻ってきたので、それ以上の情報は得られないまま、玄関前のタクシーに向かう。

「O市の西○条○丁目に......」
以下略



15: ◆kbUNpGyKq6
2016/05/09(月) 00:59:13.07 ID:mfzAERao0
 運転席に目をやると運転手さんもこちらをチラリと見た後、深く頷いた。

「私はかれこれ30年間無事故無違反です。お任せください」

 微笑みながら宣言され、不思議と安心感を覚えた。運転手さんはさらに続ける。
以下略



16: ◆kbUNpGyKq6
2016/05/09(月) 01:00:21.56 ID:mfzAERao0
 詳しく話して良いものか判断がつかず、隣を見るとプロデューサーがすかさず話し出した。

「ほら、最近このあたりもたまにテレビで紹介されるようなってきたでしょう?今回はあそこの温泉の特集があったんですよ」

「と、いうことはお二人はマスコミ関係のお仕事をされてるのですね」
以下略



17: ◆kbUNpGyKq6[sage]
2016/05/09(月) 01:01:12.55 ID:mfzAERao0
「ああ、どこかで見た顔だとは思いました。ええと......」

「高垣楓です」

 プロデューサーが話したので、私も名乗ってみる。ファンになってくれる人はどこにいるか分からないし、何となくこのまま黙っているのも気まずい感じがした。
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2016/05/25(水) 11:48:03.87 ID:RZXxEEZkO
マダー?


19: ◆kbUNpGyKq6
2016/06/09(木) 01:22:07.84 ID:hZgTANfB0
 到着したのは閑静な住宅街。運転手さんにお礼を言いつつタクシーを降りると、いたって普通の一軒家の前だった。プロデューサーに促されで玄関先に移動すると、中から賑やかな声が聞こえてきた。ガチャリ、と開いたドアから愛嬌のある顔が覗く。

「いらっしゃい!初めまして、Pの母です。息子がお世話になってます」

「は、はい。よろしくお願いします......?」


20: ◆kbUNpGyKq6
2016/06/09(木) 01:23:21.95 ID:hZgTANfB0
 勢いよく捲し立てられて私がよく分からない返事をしていると、後ろから声が上がった。

「母さん、挨拶は中に入ってからにしよう。家の中だと分からないかも知れないけど、吹雪なんだ」

「あらごめんなさい。さ、入って」
以下略



21: ◆kbUNpGyKq6
2016/06/09(木) 01:24:40.76 ID:hZgTANfB0
「本当、遠いところよく来てくれました」

「高垣楓です。お世話になります」

 少し緊張しつつ改めて挨拶すると、そこからは怒涛のトークタイムが始まった。
以下略



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