1: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:18:14.02 ID:xJU0s9Q00
 
 藤原肇、鷺沢文香ss。 
  
 地の文あり。 
  
 ※で視点変更。 
 
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:20:30.36 ID:xJU0s9Q00
  
 こんな夢を見ました。 
  
 私がまだ幼い頃、外のカエルの鳴き声がいやに響いて眠れなくなった日。 
  
3: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:21:58.32 ID:xJU0s9Q00
  
 「え〜っと、月の夢は直感! あとは……インスピレーション、感情等の象徴。満月ならこれらの運気が上昇することを暗示しているですって!」 
  
 よかったじゃない。と朋さんは夢占いの雑誌をペラペラとめくりながら嬉しそうに声を上げます。 
  
4: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:23:15.78 ID:xJU0s9Q00
  
 「コラッ朋! もうすぐレッスン始まるのになんでここに居るんだよ!」 
  
 「早く着替えないと間に合わないわよぉ」 
  
5: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:24:17.64 ID:xJU0s9Q00
  
 ふぅ。と息を吐く。 
  
 心を落ち着かせる為には、土をこねるか、流れ行く水面にウキを浮かべるのを眺めるなどありますが、生憎ここは工房でも渓流でもありません。 
  
6: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:25:20.43 ID:xJU0s9Q00
  
 あまり広くなく、設備もほとんどないここのレッスン室では、もうあまり人も来なくなり、ぎいぃ……と少し寂しい音が扉から聞こえてきます。 
  
 明かりをつけて、鏡の前でストレッチから始めます。 
  
7: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:26:50.62 ID:xJU0s9Q00
  
 時間が経つに連れ、はき出す息に熱がこもるのが分かります。 
  
 水分を含んだレッスン着が重いのか、体が強張ってしまうのか、動きがリズムからだんだんと離れていってしまいます。 
  
8: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:28:10.78 ID:xJU0s9Q00
  
 ガチャ。と音を立てて扉が開く音がします。 
  
 「あれ? 肇ちゃん?」 
  
9: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:29:53.06 ID:xJU0s9Q00
  
 何回か踊りを繰り返し、その度に慶さんからアドバイスを貰い、直していく。 
  
 「それじゃあ通しでやってみようか」 
  
10: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:31:01.00 ID:xJU0s9Q00
  
 扉を開けると、暖かな空気が流れ出します。 
  
 なにやらティーカップとにらめっこをしているちひろさんに会釈をし、ソファーに腰かけます。 
  
11: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:32:15.06 ID:xJU0s9Q00
  
 「気になりますか?」 
  
 うふふ。と笑いながら雪乃さんはティーカップに紅茶を注いでいきます。 
  
12: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:33:20.75 ID:xJU0s9Q00
  
 ふと、今朝の朋さんの言葉を思い出してしまいました。 
  
 心残り。そんな大それた想いではありませんが、あの夢はもしかしたらおじいちゃんに会いたかったのかなって。 
  
13: ◆ULuwYLs/ds[sagasage]
2016/05/05(木) 00:34:50.69 ID:xJU0s9Q00
  
 眠いのとキリがいいのでひとまずここまで。 
  
 続きはあります。 
14:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 03:23:21.19 ID:c6AW/osc0
 おつ 
 いい雰囲気 
 肝心のふみふみはまだ出てきてないけど 
15: ◆ULuwYLs/ds[sagasage]
2016/05/05(木) 12:13:48.80 ID:CGnHuaAk0
 テスト。 
16: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:14:50.30 ID:CGnHuaAk0
  
 ※ 
 こんな夢を見ました。 
  
 辺りを見回せば一面雪に覆われていて真っ白な世界。 
17: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:17:25.57 ID:CGnHuaAk0
  
 風は強くなり、前を向くことができず視線は否応なしに足元へ……そこで見たものは、氷の向こう側で、華やかな衣装をまとい、長い髪を揺らし、素敵な笑顔で歌う女性。 
  
 心の底から楽しそうに歌う彼女を見て、私もそちら側へ行ってみたいと思うようになりました。 
  
18: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:18:47.18 ID:CGnHuaAk0
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 ーーー 
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19: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:21:12.97 ID:CGnHuaAk0
  
 本を開き、物語の中に入り込もうとしたとき、チリンチリンと入口の扉に取り付けたベルが鳴り、侵入者の存在を知らせます。 
  
 珍しくこんな時間にお客さんが…… 
  
20: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:22:41.40 ID:CGnHuaAk0
 それから、月日が経ち。 
  
 外に出ると北風と共に木枯らしが吹いていたこの季節も終わりを迎え、代わりに東風がやわらかさと、暖かさを運んできたある日。 
  
 私はとあるアイドル事務所のレッスン室にて、指導を受けていました。 
21: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:25:44.54 ID:CGnHuaAk0
  
 トレーナーさんには、笑顔を意識してほしいと言われましたが、中々に、うまくいきません。 
  
 自分の指で、口の端と端を無理矢理上げてみますが、笑顔とは言えない、奇っ怪な表情になってしまいました。 
  
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