21: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:25:44.54 ID:CGnHuaAk0
トレーナーさんには、笑顔を意識してほしいと言われましたが、中々に、うまくいきません。
自分の指で、口の端と端を無理矢理上げてみますが、笑顔とは言えない、奇っ怪な表情になってしまいました。
22: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:27:05.58 ID:CGnHuaAk0
「お疲れ。文香ちゃん」
側に飲み水の入ったペットボトルを置き、周子さんが私の隣へ座ります。
23: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:29:01.54 ID:CGnHuaAk0
事務所の扉を開けると、暖かな空気と、とても賑やかな声が聞こえてきました。
お帰りなさいですわと雪乃さんから紅茶を頂き、みちるさんからパンを頂きました。
胃の中に食べ物を入れられるか不安でしたが、存外、そんな不安もダージリンの香りが掻き消していきます。
24: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:30:18.67 ID:CGnHuaAk0
笑顔と笑顔。
そらさんも、朋さんもとても、アイドルらしい、とはいえ彼女達もアイドルなので当然と言えば当然なのですが、素敵な笑顔でみちるさんの元へと駆けて行きます。
25: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:32:39.46 ID:CGnHuaAk0
少し冷えたのを見計らって、紅茶を口に含みます。
熱いものは、熱いうちにとは、思っていますが、とてもお恥ずかしい話ながら、私はどうも熱いものが苦手な様で……
26: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:35:08.21 ID:CGnHuaAk0
少し肇さんの事が気になり、視界を回しながら探しているとソファーに腰掛け、プロデューサーさんと何やら話しています。
私の視線に気付いたのか、肇さんはペコリと音が鳴ってしまうぐらい綺麗に会釈をします。
その後に、彼女は立ち上がりこちらへ近付いてきます。
27: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:36:49.05 ID:CGnHuaAk0
「ここが……私の叔父の古書店になります」
日が出ていた日中とは違い、空気がどこか冷たく感じる夕方に、いつもとは違う、裏口の方から二人を案内します。
28: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:38:22.94 ID:CGnHuaAk0
「プロデューサーさんは……何をお探しに……?」
プロデューサーさんは顎に手をやり、少し考えてから、雪美ちゃんや薫ちゃんの為に絵本でも……と答えました。
29: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:41:14.57 ID:CGnHuaAk0
「……なんだか、意味深ですね」
プロデューサーさんもその意味に気付いたようで、なるほどな。と小さく呟きます。
30: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:42:27.42 ID:CGnHuaAk0
プロデューサーさん曰く、気が向いたらここに来てほしいということでした。
「今はあんまり使われてないけど、掃除とかはしてあるはずだから、そこは気にしなくていいよ」
「いえ、そこは……むしろ、灰被りに相応しい場所だと……」
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