20:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:56:47.97 ID:QQKHlK4R0
「川島さんは…年上だけどあの人結構子供っぽいところあるからなぁ…早苗さんとかもだけど」
「じゃあ逆に年下でも年上っぽい子だったらいいのかしら?」
21:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:57:27.48 ID:QQKHlK4R0
「あ、いや、別に美波が好きという訳では無くだなぁ…」
案の定始まった言い訳に愛想笑いを浮かべつつ、私の質問は続く。
22:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:58:25.87 ID:QQKHlK4R0
「例えば…ほらこないだ歌番組で隣に座ってたあのバンドマンとかどうだ?顔立ちも整ってるしお似合いに見えるけど」
「嫌よ、女癖悪そうだもの」
23:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:59:14.46 ID:QQKHlK4R0
「そうね…」
場を繋ぐ曖昧な言葉を吐く。
24:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:59:57.87 ID:QQKHlK4R0
「優しい人……かしら…」
25:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:00:45.87 ID:QQKHlK4R0
「おはようございます」
事務所の扉を開け、小さく挨拶をした私に事務所のあちこちから返礼の声が上がる。
26:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:01:30.08 ID:QQKHlK4R0
そこに彼がいることを確認した私は、壁にかけられた鏡を見た。
髪、よし
メイク、よし
服、よし
27:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:02:18.70 ID:QQKHlK4R0
出鼻を挫かれた私は声のした方に首を向ける。声の主は千川ちひろさん、この事務所の事務員だ。
休憩室に入るタイミングを失った心に小さな苛立ちはあったものの、それをちひろさんのせいにするのは理不尽だろう。
私は彼女に向き直りぺこりと頭を下げた。
28:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:02:46.61 ID:QQKHlK4R0
「はいぃ!」
声色で分かる。決して嬉しい話では無い様だ。
29:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:03:47.41 ID:QQKHlK4R0
こんな日もあるわよね。
「おはよう」
30:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:04:39.77 ID:QQKHlK4R0
事務所からの帰り道、私は事務所近くの喫茶店の窓際に座り、道行く人を眺めていた。
確かプロデューサーさんはこの道を通るはず。
彼を見かけたところでどうするかなんて考えていない癖に、待ち伏せめいた事をしている自分が酷く滑稽だ。
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