31:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:05:18.24 ID:QQKHlK4R0
彼に会ってなんと言おう
『あら、偶然ね。今帰り?』
32:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:05:56.27 ID:QQKHlK4R0
傘を差しやや足早に歩いていく彼の足は最寄駅方面に向いている。
私は静かにそして手早く立ち上がり、レジへと急ぐ。
会計のためにレジの呼び鈴を鳴らすが、なかなか店員が出てこない。
33:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:06:28.10 ID:QQKHlK4R0
「それでは1,2,3…」
お札を数える店員の手元を見ずに私は外を見た。
34:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:08:15.55 ID:QQKHlK4R0
などと考えている内に駅へとついてしまった。
彼はもう電車にのってしまったのだろうか。
35:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:08:47.76 ID:QQKHlK4R0
聞きなれた声。
優しく落ち着いた、あの人の声。
私はその声がする方へ振り向く。
36:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:09:38.69 ID:QQKHlK4R0
いつもの格好ではない明らかに異性を意識した小奇麗な私服に身を包み、いつも結っている髪を下ろしていたが見間違えるはずもない。
なぜ、どうして
37:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:10:07.81 ID:QQKHlK4R0
二人の唇が離れると同時に、彼が悪戯な恋人に非難の声を上げる。
私には見せた事もないような幸せをそうな笑みを浮かべながら。
38:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:50:26.36 ID:QQKHlK4R0
39:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:50:58.43 ID:QQKHlK4R0
そもそもアイドルなのに恋をしようというのが馬鹿げていたのかもしれない。
まだ確固たる地位も確立していない私じゃ、ちょっとしたスキャンダルであっという間に引退だ。
それでもそんな現実から目を逸らし、甘い幻想を追いかけたのは紛れもない事実である。
40:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:51:29.52 ID:QQKHlK4R0
誰かが私を呼んでいる。誰だろう。
私はゆっくりと声の主へと視線を移す。
41:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:51:58.52 ID:QQKHlK4R0
「えぇ、ごめんなさい、一瞬お名前が出てこなくて…ご無沙汰してます」
私はいつも通りに平静を装う。これまで通り、平常に。
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