過去ログ - 二宮飛鳥「彼女はまるで」相葉夕美「お花のようでした」
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1: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:41:26.30 ID:VOfVP3iH0
・ちょっと長め
・地の文系
・多分シリアス
・ちょっとキャラ濃いめのプロデューサー

この辺りが駄目そうな方にはあんまりお勧めできないかもしれません

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2: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:42:37.79 ID:VOfVP3iH0
階段を登り、備え付けられた窓から差し込む日差しに目を細めながら扉を開く。

快晴の青い空の下、太陽の光を浴びてご機嫌な彼女は、まさしく花そのものだった。

事務所の屋上、ボクのお気に入りの場所の一つ。
以下略



3: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:43:28.85 ID:VOfVP3iH0
とりあえずガーデニングスペースの片隅に置かれているじょうろに、水道から水を汲んでくる。鍛えていない細腕にはちょっと重い。

「夕美さん、一つ確認をしていいかい。……そう、水やりをあまり要求しないのは、これと、この花だったかな?」

「そうそう、合ってるよ!えーっと、ちょっと待ってね。……うん、こっちは土が乾いてきてるから少しだけお水をあげて欲しいな。他のお花はちょっと多めなくらいでも大丈夫」
以下略



4: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:44:17.68 ID:VOfVP3iH0
ひとしきり語り終えた彼女は、ボクに視線を向ける。その瞳はきらきらと輝いているようにも見えて、少しだけ眩しい。

「ねぇ、飛鳥ちゃんはどうしてアイドルになったの?聞かせて欲しいなっ」

次いで矛先は話題を変えぬままボクへ。
以下略



5: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:45:06.72 ID:VOfVP3iH0
飛鳥ちゃんはきっと、驚くくらいに飲み込みが早いのだと思う。

成長期、なのかなぁ。いい土と、お水と、太陽を浴びてどんどんと育っていくようなイメージ。

二人で育ててるお花は最近になって蕾が膨らみ始めた。私たちのユニットも、きっとそのくらいの立ち位置にいる。
以下略



6: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:46:05.34 ID:VOfVP3iH0
「えっ?」

「いや、妙なことを頼んですまない。この天気にも関わらず飛鳥が屋上から降りようとしないんだ。夕美からも声をかけてやって欲しい」

夕立のなか事務所に戻ってきた私に伝えられた言葉。
以下略



7: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:46:48.85 ID:VOfVP3iH0
なにか声をかけなきゃ、という正体の掴めない焦りに反して紡ぐべき言葉は見つからず、呆けたように口を開いた私を彼女は視界に収めた。

「……やあ。キミに望まれたことは、ボクなりに果たすことができたと思う」

「っ……」
以下略



8: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:47:46.23 ID:VOfVP3iH0
「飛鳥ちゃん、それ……」

「ああ、伝えられた通りにしたまでは良かったんだけど、弔い方までは知り得なかったから、ね」
まるでなんでもないかのような調子。強がっているように見えてしまうのは、気のせいだろうか。

以下略



9: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:48:53.45 ID:VOfVP3iH0
……ああ。

ボクを見据えるその姿を見て、自らの思慮の浅さにようやく気づいた。

心底から心配そうで、僕を気遣うような優しさと、憂いの表情。
以下略



10: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:49:53.28 ID:VOfVP3iH0
……ああ、全く。

やめてほしい。

なんであの、土を掘り返して抜き取った感触まで思い出してしまうのか。
以下略



11: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:50:48.29 ID:VOfVP3iH0
「……おや、どうしたんだいプロデューサー」

「様子見だ。お前のことだからどうせここで腐っていることだろうと思ったが……正解か」

開口一番、随分な言いようだ。それも間違っていないあたり性質が悪い。
以下略



12: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:51:59.61 ID:VOfVP3iH0
不意にプロデューサーは話題を変える。

どう、という具体性を持たない問いに対して、まず最初に浮かんだのは。

「きっと上手くやっていけると思ったけど、少し失敗した」
以下略



13: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:52:59.89 ID:VOfVP3iH0
「…………」

「おい、飛鳥」

「え、ああ。何だい?」
以下略



14: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:53:25.64 ID:VOfVP3iH0
「あ……」

緑に埋もれながら存在感を放つ橙と紫。まだその殆どがつぼみのままである中、片手で数えられる程度の数だが、確かに。

小さな花が咲いていた。
以下略



15: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:53:58.94 ID:VOfVP3iH0
「もしもし、飛鳥ちゃん?夕美だよ。……えっと、調子はどう?」

「……こっち?うん、少し楽になったよ。こっちは大丈夫。……そっか、よかった」

「えっ、レッスンの予定?……うん、うん。……わかった。私も早く治さなきゃね」
以下略



16: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:55:05.72 ID:VOfVP3iH0
ひんやりと冷たい金属のドアノブに手を触れ、扉を開く。

「…………!」

目に映ったのは、色とりどりの花々だった。
以下略



17: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:55:46.44 ID:VOfVP3iH0
「飛鳥ちゃん、今咲いてるお花のなかだと、どれが好きかなっ?」

「ん、ボクの好みか……。うん、これと、これの二つかな」

指し示されたのは、少し離れた場所に咲いたオレンジと紫のお花。
以下略



18: ◆kiHkJAZmtqg7[sage saga]
2016/06/26(日) 21:57:37.86 ID:VOfVP3iH0
一旦ストップ。もう全て書ききってはいるのですが、用事があるので続きは後で。
ここまででおおよそ5分の2くらいです。


19: ◆kiHkJAZmtqg7[sage saga]
2016/06/27(月) 01:55:02.30 ID:bBQiM+VS0
再会ー。最後まで投下しきっちゃいます


20: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 01:56:06.03 ID:bBQiM+VS0
「それじゃあ始めよう。せーの……1、2、3、4!」

飛鳥ちゃんの声と手拍子に合わせてステップを踏み始めた。

CDプレーヤーから流れる音楽に合わせて歌いながらも、それに合わせて身体を四方に揺らす。
以下略



21: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/27(月) 01:57:10.60 ID:bBQiM+VS0
「そろそろ日が暮れるぞ。まだ続けるってのなら教えてくれ」

届いた声の主はプロデューサーさん。なにやら大きめの荷物を抱えて屋上までやってきた様子だ。

飛鳥ちゃんは、どうする?と目で問いかけてきている。
以下略



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