69:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:17:51.77 ID:ZjlcYbSYo
「悪い夢でも見てるみたいだ」
とケイくんは言う。本当にそのとおりだとわたしは思う。
70:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:18:41.74 ID:ZjlcYbSYo
わたしは黙って、ケイくんに右手を差し出した。
「……なに?」
71:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:20:02.90 ID:ZjlcYbSYo
◆
そうしてふたたび意識が浮かび上がったとき、わたしとケイくんは手をつないだまま、
72:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:20:32.69 ID:ZjlcYbSYo
「……ここ、どこ?」
ケイくんが思わずこぼしたようにそう呟いたけれど、もちろんわたしにも答えは浮かばなかった。
73:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:21:09.32 ID:ZjlcYbSYo
「……厄介なことになったな」
「意外と落ち着いてるね、お互い」
74:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:21:58.44 ID:ZjlcYbSYo
「……とにかく、どうしよう?」
「……どうしよう、なあ」
75:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:22:39.95 ID:ZjlcYbSYo
乾いた夜風が吹いている。少しの肌寒さと、足首の痛みを、わたしは感じ取る。
「どうして夜なんだろう?」
76:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:23:27.35 ID:ZjlcYbSYo
「……こいつは悪夢的だな」
とケイくんは言った。たしかに、とわたしは思った。
77:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:26:02.82 ID:ZjlcYbSYo
顔は赤。シルクハットをかぶっている。首元に黄色の細い風船が伸びているが、その下は服で隠れていてよく見えない。
手指は更に細く小さい風船でできていて、その奇妙な指で彼(?)はステッキを掴んでいる。
「どれ、その子はどうした」
78: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2016/07/10(日) 01:26:44.64 ID:ZjlcYbSYo
つづく
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