過去ログ - 開かない扉の前で
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787:名無しNIPPER[saga]
2017/10/17(火) 22:56:16.35 ID:1LbshZ6Ho

 わたしは、言葉の意味を咀嚼するのに手間取った。
 霧の粒が肌にまとわりつく。

 溶けてしまいそうだ。
以下略



788:名無しNIPPER[saga]
2017/10/17(火) 22:56:42.66 ID:1LbshZ6Ho

 どうなのだろう。
 わたしは――

 渡すことの方が簡単で、求めることのほうがむずかしいような気がする。
以下略



789: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/10/17(火) 22:57:18.37 ID:1LbshZ6Ho
つづく


790:名無しNIPPER[sage]
2017/10/18(水) 08:19:17.20 ID:GXo3U+CQ0
おつです


791:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:36:28.42 ID:IXxsBwaSo



 あたりまえのように朝が来て、まひるは制服に袖を通した姿で、わたしたちの為に朝食を用意してくれた。

以下略



792:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:37:39.83 ID:IXxsBwaSo

 青褪めた朝を、わたしたちは傘もささずに歩いた。
 
 地下鉄駅の構内で、人々はせわしなく改札口に飲み込まれていく。
 切符売り場に小銭を放り込むと、一瞬だけ、何かが変わったような気がした。
以下略



793:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:38:11.91 ID:IXxsBwaSo

 ケイくんはずっと黙っていた。

 列車が動き始める。

以下略



794:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:39:34.67 ID:IXxsBwaSo

 駅につくたびに、車両の中は段々と混み合ってきた。
 胃袋の中身が膨れ上がっているみたいだ。

 膨れ上がった魚みたいだ。
以下略



795:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:40:20.72 ID:IXxsBwaSo



 目的の駅につくと、車両の中の人々は蛇のように流れ始めた。
 やがて通路が別れると、糸がほつれるようにそれぞれに分かたれていく。
以下略



796:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:40:51.99 ID:IXxsBwaSo

 目的の場所に向かって、傘もなく歩いていくしかなかった。
 
 この街で今、もっとも高い場所。三十階建てのビル、その頂の展望台。

以下略



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