2: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:23:03.75 ID:z6mFNZbg0
「車長!がけ崩れでこれ以上進めません!」
決断を求められる瞬間はいつでも緊張が走る。
3: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:26:05.95 ID:z6mFNZbg0
「発射!」
車体が揺れる。煙と共に薬きょうが吐き出された。
4: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:29:56.30 ID:z6mFNZbg0
土砂はティーガーを飲み込み、がけ下の川へと押し流した。
「操縦不能!」
5: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:32:52.32 ID:z6mFNZbg0
「小梅!」
私が振り返ると、雨の中で八九式中戦車がとまっているのが見えた。
6: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:35:31.12 ID:z6mFNZbg0
「もうびしょぬれじゃない。かさはどうしたの?」
「あれ?……なくした!」
7: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:37:51.80 ID:z6mFNZbg0
母がバッグからハンカチを取り出して私の頭をごしごしと拭いた。
「ねぇねぇお母さん!」
8: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:52:38.75 ID:z6mFNZbg0
「お母さん!私もチロ!運転したい!」
「はいはい。お母さんのひざの上来る?」
9: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:54:36.98 ID:z6mFNZbg0
あの頃の私はドイツ戦車の大ファンで、お気に入りはティーガーだった。
しかしお母さんの八九式だけは日本戦車だけど特別だ。
10: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:03:33.12 ID:z6mFNZbg0
「なんで泣く人が立派なの?」
「ほら小梅、次の交差点を右に曲がるわよ」
11: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:49:14.98 ID:z6mFNZbg0
ビーッ、ビーッ、ビーッ、ビーッ、
いやだ、こんな音は聞きたくない。
12: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:52:30.00 ID:z6mFNZbg0
「小梅ちゃん!」
浸水を警告するアラームが鳴り続けていた。
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