26:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:13:27.31 ID:G7thJZfF0
「失望したぞ、男」
27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:14:41.39 ID:G7thJZfF0
美希の目には再び光が灯っていた。
それは一時の気の迷いだったのかもしれないし、ストックホルム症候群と似た何かだったのかもしれない。
だが、それは幼い美希の感情を動かすには十分すぎる材料だった。
28:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:15:25.12 ID:G7thJZfF0
「春香!美希はもういいわ、そんなことよりプロデューサーの血を!」
29:名無しNIPPER[saga ]
2016/07/23(土) 23:21:30.78 ID:G7thJZfF0
隊長は春香の襟を掴むと、まるで空き缶を捨てるかのようにトンネルの壁に放り投げた。
腕の動きに比例せず、かなりの勢いで飛ばされた春香は、全身をコンクリートに叩きつけられた衝撃に声を出すこともできなかった。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:24:04.28 ID:G7thJZfF0
『声』が聞こえた。
彼の声ではない。
少年のようにも少女のようにも聞こえるその声はあまりにも澄みきっていて、それが故に不気味ですらあった。
31:名無しNIPPER[saga ]
2016/07/23(土) 23:25:18.55 ID:G7thJZfF0
「なんで、あなた……『味方を殺そうとしているの?』」
32:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:25:50.53 ID:G7thJZfF0
「何をする貴様ら!反逆者がどうなるかわかってのことだろうな!」
33:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:28:32.72 ID:G7thJZfF0
嘲笑う春香に、仮面の集団が顔を向ける。
34:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:29:43.30 ID:G7thJZfF0
「あら、あなただけ生き残ったのね。そんな運の良いあなたはきっと『目も耳も普段通りになるに違いないわ』」
「……!?戻っ……た」
35:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:30:34.67 ID:G7thJZfF0
膝から崩れ落ちる兵士に、春香が優しく声をかける。
36:名無しNIPPER[saga ]
2016/07/23(土) 23:31:13.90 ID:G7thJZfF0
その体を数発の銃弾が貫いた。
どちゃっ、という生々しい音ともに青年がコンクリートに倒れこむ。
だが、自ら救った人間が目の前で死んだというのに、春香は笑顔を崩さなかった。
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