過去ログ - 高森藍子「誰かを笑顔にできるなら」
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31: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:05:13.95 ID:wiTHyHYmO
必要そうな本を数冊取り出して自分の机に戻ってきた。
ところどころに付箋が張ってある。
今までなんの価値もないと思っていた本だった。
32: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:07:15.79 ID:wiTHyHYmO
外はまだ雨が続いている。
そんなことはお構いなしに、俺はスケッチブックに向かって自分の想いをぶつけていた。これをすることが答えを見つける手段だとは思わなかったが何かせずにはいられなかった。
このデザインが完成したらまたあの公園に行こう。
33: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:09:11.94 ID:wiTHyHYmO
「どうぞごゆっくり」
来客用の上等な紅茶を置いてちひろさんは応接室を出ていってしまう。
「すみません、いきなりお邪魔して。ご迷惑じゃなかったですか?」
34: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:11:17.65 ID:wiTHyHYmO
「あの…私このあたりには何度か来たことがあるんです。ほら、向こうのビルにたまにお買い物に行くんです」
そう言って坂の上にある丸いビルを指さす。
「でも不思議ですね。私の知っている街と、ここから見る景色はちょっと違う気がします」
35: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:13:03.34 ID:wiTHyHYmO
「あの…それでですね」
おずおずと彼女が口を開いた。
「この前、その…おっしゃっていたことって…本当ですか…その…私がアイドルに向いているかもっていうお話」
36: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:16:05.40 ID:wiTHyHYmO
紅茶のカップを手に持ったまま彼女はしばらく考え込んでいるようだった。
少しだけ口を付けたカップをソーサーにそっと戻すと、彼女はこちらを見てゆっくりと口を開いた。
「私、考えてみたんです。なんの個性も取り柄もない私がアイドルになったとして、何ができるのかなあって」
37: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:20:31.59 ID:wiTHyHYmO
急に体から力が抜けていくような感じがした。
なんだ、答えは彼女が持っていたじゃないか。
下手の考え休むに似たりとはよく言ったものだ。
38: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:21:35.16 ID:wiTHyHYmO
以上で終わりです。
日付変わったら依頼出してきます。
39:名無しNIPPER[sage]
2016/07/24(日) 18:38:43.30 ID:cw2le8VcO
おつ
良かった
40:名無しNIPPER[sage]
2016/07/24(日) 19:57:13.32 ID:Qh6Y72Ulo
スケッチブックは使わないのか
乙?
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