43: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/07/31(日) 22:20:13.53 ID:Cp5Q/xwsO
「いえ、あの、実は……わたしは特に指示してなくて……」
後輩はほとんど呟くように言った。照れているのだろうか。
気まずそうに目を伏せる後輩。
44:名無しNIPPER[sage]
2016/08/01(月) 03:22:30.08 ID:TaKq0TFLo
応援してる
45:名無しNIPPER[sage]
2016/08/01(月) 09:48:49.47 ID:UbpfYeS9o
フレデリカらしいなー
46: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 01:29:17.00 ID:ctIpbkEp0
控え室に入ってすぐに、
「おつデリカ! ってみんな暗いよ! 目悪くなっちゃうよー?」
宮本さんは困惑してるのか、よくわからないことを口走っていた。ふと思い返してみれば今に限った話ではなかった。
47: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:37:26.13 ID:ctIpbkEp0
ははっと乾いた笑いを飛ばして、俺は宮本さんに向き直る。
「とりあえず、今日はお疲れ様。宮本さんは知らないだろうけど、今回の握手会はプロダクションのなかでも比類を見ない快挙なんだ。ほんと、いい対応だったよ」
「えへへー、よかったぁ。プロデューサーもいてくれたから安心してできたんだよねー!」
48: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:40:26.39 ID:ctIpbkEp0
宮本さんは後輩の手を握って微笑んだ。
「うんうん! こんなアタシに諦めず付き合ってくれただけでも嬉しいし、知らなかったことたくさん知れて楽しいよ! これからもプロデューサーとアイドルしたいなぁ、ダメ?」
「フレデリカ……ううん、駄目じゃない。これからもよろしくね」
49: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:43:04.81 ID:ctIpbkEp0
そろそろ帰る頃合いだろう。
そんな雰囲気になって身支度をしていると宮本さんは、
「あっ、プロデューサーとカナデちゃんは先出ててー! アタシは悪を倒さないといけないんだった!」
50: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:45:19.59 ID:ctIpbkEp0
「気づいてくれてありがとね」
「うん、扉の後ろにいるのわかったからさ」
後輩が悩みを吐露したとき、扉の先に気配を感じたのだ。きっと俺が一番近かったからだろう。
51: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 01:48:59.62 ID:S0sgZAC1O
帰りの車中、もやもやとした感情が腹のなかに渦巻いていた。
宮本さんの言葉と俺の返答。おかしいことはない。なんてことのない会話だ。
でも。心配する友達と導く大人。こうすると違和感。
52: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 01:50:58.95 ID:S0sgZAC1O
ミラー越しに速水さんと目が合う。どうやらこちらの表情を窺っていたらしい。
俺は歯を見せてにっとはにかんだ。
「よくさ、お前になにがわかるんだって台詞あるじゃん」
53: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 01:52:15.78 ID:S0sgZAC1O
「うん。後輩のプロデュースにしたって、彼女の言うとおり、宮本さんの魅力を減衰させた一面はどうしたってあると思う。でも、それは魅力をわかりやすくした面だってある」
「ええ、正直驚いたわ。フレちゃんは明るくていい娘だけど、あそこまで上手く盛り上げるとは思ってなかった。しっかり加減していてたし、きっとそういう線引きをプロデューサーは教えてあげたのでしょうね」
「まあ、後輩がどこまで意図していたのかはわからないけどね。なにが活きてくるのか。このあたりを読めたら苦労はしないな。やっぱり、柔軟にいかないと。そう考えさせられたよ」
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