過去ログ - 海辺の町と赤く染められた国
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129: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:54:07.91 ID:Hr1jCc1H0
そこはかなり高い展望台であった。正に街を一望出来る。

「凄いね!絶景だよ」
「私はたまに一人で来るんですよ。人も少なくて気持ちが良いんです」

以下略



130: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:54:55.76 ID:Hr1jCc1H0
「ねえ…あの山の端の向こうに…何かあるの?」
「ええ、あります」
「あれ、そう言えば山の向こうには…海が有るって…」
「はい…あれが海です」
「え?」
以下略



131: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:55:42.86 ID:Hr1jCc1H0
ドン!
その音共にガタガタと床が揺れ始めた。

「閣下!地震です!」

以下略



132: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:56:27.16 ID:Hr1jCc1H0
「大丈夫だ…」

その時、執務室の扉が開き衛兵が飛び込んできた。

「副首相!大丈夫ですか??」
以下略



133: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:57:30.51 ID:Hr1jCc1H0
高楼を降りた私達は広場を離れ再びメインストリートに入った。

「あ、こっちが近道なんです」

そう言ってナオが脇道を指し示す。その道は少し寂れており商店も疎らであった。
以下略



134: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:58:30.24 ID:Hr1jCc1H0
「洪水があったり…あと巨大生物に襲われたり」
「巨大生物…?ああ、あの水溜めの時に入ってきた生物か」
「はい。あれよりもっと大きな生物が沢山いたそうなんです」

あれよりも大きいって…それは凄く大きいな。
以下略



135: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 19:59:28.75 ID:Hr1jCc1H0
その声の方を見ると濃い紫色のローブを頭まで被った人間が私を見て声を掛けた様だ。
私は自分を指差し、自分を呼び止めたのかを確認すると、その人間はゆっくり頷いた。
…人間、と記したのはその人物が男か女かが分からなかったからだ。
スッポリと被られたローブで顔も確認出来ないし、呼び止められた声もそれが男か女かがはっきりしない声質であった。

以下略



136: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 20:00:19.92 ID:Hr1jCc1H0
「どう言う意味だ?」

私は少しニヤニヤして尋ねた。

「ダメですよ…時読みはそうやって客寄せをしてるんです」
以下略



137: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 20:01:15.04 ID:Hr1jCc1H0
「…なるほど、そう言う事ですか…」

彼は一人で納得した様な言葉を吐いた。
時読みは左目で私をジッと見つめる。その眼差しは私に向けられていたが私を見る様なそれでは無かった。
どちらかと言うと私の後ろに居る人物を見る目。そう私自身を透して後ろの人物を見ていた。
以下略



138: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 20:02:07.93 ID:Hr1jCc1H0
「時読みは、ああ言った物言いをします」

ナオが歩きながら私に言う。

「そうなんだ」
以下略



139: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 20:03:30.79 ID:Hr1jCc1H0
「まあ、あれも商売なんだろうな」
「ですね」

そう二人で笑い合っていると、又もや頭の中に何かの違和感を感じる。
私は違和感の元を探ろうともう一度景色の記憶を目を閉じて巻き戻してみた。
以下略



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