過去ログ - 京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」
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21: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:19:16.48 ID:B82FWzEK0

一人は金髪を肩まで伸ばした優しげな顔つきの女性。身長が百七十センチになるかならないか。上下ともにジャージを着て、足元はスニーカーだった。

年齢は二十歳になるかならないかというところ。化粧はしていなかった。しかし美人だった。うっすらと日焼けしている。

以下略



22: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:23:38.20 ID:B82FWzEK0

「京太郎もついて行け。龍門渕の姫、九頭竜の姫である天江衣は染谷まこに話がある。

 危害を加えるつもりはない」

以下略



23: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:28:00.75 ID:B82FWzEK0

「どうでしょうね、衣ちゃんは思いもよらないところでやらかしていることがあるから……麻雀関係で煽ったりしたとか?」

天江衣の前の席に座っているソックが割り込んだ。真面目な声を出していた。

以下略



24: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:31:07.50 ID:B82FWzEK0
「話がそれたな。それはいいとして、私たちは異能力者の集まりだ。ヤタガラスと呼ばれている。構成員は退魔士と呼ばれる。

悪魔を見ることができ、操ることができ、殺せる。日本全体に広がり、支配している。奪ったのではない。昔からそうだった。

 京太郎も退魔士の一人だ。しかし普通の退魔士ではない。龍門渕が抱える退魔士の中で『一番』だ。数か月の修業であっという間に駆け上がってみせた。
以下略



25: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:33:39.75 ID:B82FWzEK0

「ソックの言うとおりです。我が主はそんなことを許しません。私たちはただ染谷さんを守るためにここに来たのです。

 衣ちゃんが言う龍門渕への協力はついでです」

以下略



26: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:37:18.20 ID:B82FWzEK0
「無理にやらせとるわけじゃなかろうな? 龍門渕の名が出るようになってから、あいつはなかなか笑わんようになった。

あいつはよく笑う少年じゃったはず……もしもそうなら」

染谷まこの質問に天江衣は答えられなかった。数か月間にわたって不可解な状況を耐えきった染谷まこの精神力は天江衣を委縮させる威力があった。
以下略



27: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:41:03.89 ID:B82FWzEK0

染谷まこが固まっている間に、天江衣の緑色の尻尾がトランプを受け取って、シャッフルし始めた。

緑色の尻尾たちが器用にカードをシャッフルしている間に天江衣はポケットから取り出したクッキーをかじった。

以下略



28: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:46:05.42 ID:B82FWzEK0

すでにソックと自分は足手まといにしかならないと理解していた。そんな二人を見て染谷まこは首をひねった。ソックが嘘をついているように見えたからだ。

しかし流した。嘘をつける部分がなかったからだ。染谷まこが不思議に思っているところでアンヘルがこう言った。

以下略



29: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:51:29.18 ID:B82FWzEK0

ただの暇つぶしのお遊びのはずだが、大金をかけた勝負の真剣さだった。それもそのはず、二人とも自分は勝てると思っていた。

少なくとも染谷まこには勝てると思っていたのだ。何せ染谷まこは一般人である。裏の世界にあり、それなりに難しい事件をくぐってきた自分たちである。

以下略



30: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:54:41.54 ID:B82FWzEK0
となって、アンヘルが本気になり呪文を唱え始めた時、すぐにソックも呪文を唱え始めた。

「『探求の果てに海を見て、砂で創った玉座についた。玉座についた私に願う。新たな私に祝福を』」

アンヘルとソックの呪文はまったく聞き覚えのない言葉で放たれていた。これは染谷まこにも聞こえていた。しかし突っ込んでいかなかった。
以下略



31: ◆hSU3iHKACOC4[sage saga]
2016/08/14(日) 03:58:09.27 ID:B82FWzEK0
大人な態度だった。すると天江衣は非常に嫌そうな顔をした。明らかにババ抜きをやりたがっていた。

しかし我慢に我慢を重ねて悔しさに目をつぶって染谷まこにこう言ったのだ。

「話がある。きいてくれ……」
以下略



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