過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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100:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:14:35.48 ID:D33bbYIF0
「夏休みですね」

 生徒会長は生徒会長で、短いわけではないが、決して退屈な話をする人ではなかった。

「そういえば去年、高校生の花火の音がうるさい、って、近所の方から苦情が来たんですよ」
以下略



101:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:16:19.33 ID:D33bbYIF0
 自販機の前で、ナナコを見かける。

 今部長に言われたことを伝えようと思ったが、こちらに気づいてないのか、下を向いて早足で文系棟の中に入っていってしまった。

 他に特に用があるわけでもないし、まあ後でもいいか。
以下略



102:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:17:36.22 ID:D33bbYIF0
 夏休みに入ったその日の、学校の雰囲気。

 透明感があるというか、すっきりしているというか。
 みんなの目に輝きが見えた。

以下略



103:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:20:04.95 ID:D33bbYIF0

「ちーちゃん見てない?」

「進学講座だって」

以下略



104:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:22:51.75 ID:D33bbYIF0
「あっつーい」

 イチが胸元をパタパタと仰ぐ。

「暑いですねぇ」
以下略



105:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:24:25.08 ID:D33bbYIF0
「どうかしたんですか?」

「いや、こっちの話」

 そうですか、と返事をすると、ナナコは興味なさそうに前を向いた。
以下略



106:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:26:06.40 ID:D33bbYIF0
 少し歩調が遅くなったので、それとなく合わせると、いつもより景色がゆったりと流れて見えた。

 昼前の日差しを、川がしつこいほど反射する。
 土手沿いに並ぶ桜の木から、耳をつんざくようなセミの鳴き声が響いた。

以下略



107:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:26:49.02 ID:D33bbYIF0
 いつの間にか、二人とも黙り込んでいる。

 こんな時に、気の利いた、面白いことが言えれば良いのに、と思った。

 俺は、もともとあまり話せる奴でもないし。
以下略



108:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:27:27.26 ID:D33bbYIF0
つづく。


109:名無しNIPPER[sage]
2016/08/20(土) 14:32:04.56 ID:NSKeHavL0



110:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:13:56.23 ID:D33bbYIF0

 翌朝、目が覚めた時、イチとの賭けに負けたことを思い出した。

 ラジオ体操。

以下略



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