267:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:13:53.21 ID:qsBzmbI/0
俺も同じように体を傾けて、ななめ上を見上げると、綺麗に花火が見えた。
「おお」
268:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:17:01.80 ID:qsBzmbI/0
一際大きな花火があがる。
大きな音に、コヨミちゃんが「わっ」と驚いていた。
よく考えてみると、そもそも今年の夏は、かなりアクティブな方だ。
合宿にも行ったし、こうして花火大会にも出かけてる。
269:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:19:16.70 ID:qsBzmbI/0
まず、間違いなく、明日にはムギちゃんはいなくなる。
家に帰る。当たり前のことだ。
そうしてしまうと、ハルとなーちゃんとはどうなのだろうか。それに、チヨも。
270:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:22:26.02 ID:qsBzmbI/0
「その、もし、よければ、付き合って、くれませんか……?」
コヨミちゃんの声は、いつもより明らかに小さかった。敬語もちょっとおかしい。
緊張しているのか、声が震えている。
271:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:24:18.46 ID:qsBzmbI/0
早く返事をしないと。
時間が経てば経つほど、言いづらくなるし、待っている方も辛い。
返事を、二択から選べ、と言われると、答えはすぐに出せる。
272:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:25:29.31 ID:qsBzmbI/0
「……うん、ごめん」
「あやまらないでくださいよ」
コヨミちゃんは笑った。
273:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:26:52.42 ID:qsBzmbI/0
「じゃあ、私はそろそろ門限なので、帰りますね! 先輩も、その、お気をつけて!」
送っていこうか、と声をかけようとすると、コヨミちゃんは早足で歩いて行ってしまった。
あたりは人通りが少ない。
274:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:38:11.30 ID:qsBzmbI/0
その後は、ふわふわとした足取りで、家まで帰った。
が、家に入る気になれず、玄関先で座り込む。
どうしても、さっきの横顔が頭から離れない。小さい背中。人混み。
……コヨミちゃんを、泣かせてしまった。
275:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:39:22.87 ID:qsBzmbI/0
だめだ。
とりあえず動かないと。
そう思いながらも、座り込んだまま、地面に転がっている砂利の数を数えていると、近くで足音がした。
276:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:41:26.23 ID:qsBzmbI/0
「ただいま」
誰もいない家に向かってそう言う。
あたりまえだけど、返事は、
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