過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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289:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:25:07.57 ID:ilA7zgD60
 夕方、人が増えてきそうになったので、会計を済ませて、ファミレスを出る。

 昼間よりは暑さは和らいでいたけど、それでも、風はまだ熱を持っていた。
 ヒグラシがどこかで鳴いているのが聞こえる。

以下略



290:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:25:47.60 ID:ilA7zgD60
「あんたさ」

 ねえちゃんが歩調を緩める。

「なんかあったでしょ」
以下略



291:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:26:57.21 ID:ilA7zgD60
 翌朝、セミのかすかな鳴き声で目を覚ます。四時過ぎ。いつも通りの起床時間。

 カーテンを開ける。

 この季節は、起きてすぐでも日が昇り始めているので、目覚めがいい。
以下略



292:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:27:54.04 ID:ilA7zgD60

 顔を洗って、歯を磨いて、また顔を洗う。

 乾燥機の中からタオルを取り出し、顔と前髪を拭く。柔軟剤を使っているので柔らかい。

以下略



293:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:28:37.76 ID:ilA7zgD60
 食べ終わってから、しばらく生産性のない会話を繰り広げていると、なーちゃんたちがやってきた。

 チヨは後ろ髪を結んでいる。

 ハルは宿題を持ってきていた。薄くて大きな問題集。
以下略



294:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:29:26.81 ID:ilA7zgD60
 セミの鳴き声が二種類に分かれてきたころ、ナナコがやってきた。

「今日も暑いですね」

 歩いてくるとやっぱり暑いらしい。
以下略



295:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:30:07.88 ID:ilA7zgD60
 ナナコがオセロのアプリで、チヨに勝負を挑む。
 割と接戦だったようだが、最後はチヨに負けていた。

 なーちゃんにも負けていた。
 この姉妹はオセロが得意らしい。
以下略



296:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:31:19.14 ID:ilA7zgD60
「わざわざ廊下に出なくてもいいのに」

「まあ、聞かれたくない話でもするんじゃない?」

 部長はそう言って、「うふふ」と口に手を当てた。
以下略



297:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:31:57.85 ID:ilA7zgD60
 それから五分くらい経って、ハルがスマホ片手に戻ってきた。

 扉を開けると全員が(何人かはニヤつきながら)自分のことを見ていたので、彼は少したじろいでいた。

 落ち着かなさそうに髪を撫でて、ハルはありがとう、とねえちゃんにスマホを返した。
以下略



298:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:32:30.51 ID:ilA7zgD60
 ファミレスに着くと、案の定、人が多くて、しばらく待つことになった。

「なんかごめん」

 部長は申し訳なさそうに項垂れた。
以下略



299:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:33:14.34 ID:ilA7zgD60
 二時間近くドリンクバーで粘って、店を出る頃には、俺たち以外に客はいなかった。

 店員さんには申し訳ないことをした。

 でもまあお金は払ってるし、と自分に言い聞かせる。
以下略



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