30:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:11:05.83 ID:RhqsoqHZ0
「先輩!」
机の引き出しを覗き込むと、後ろから声をかけられた。湿気を吹き飛ばしてくれるような、爽やかな声。
「……コヨミちゃん?」
31:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:13:27.08 ID:RhqsoqHZ0
窓が閉まっていることを確認して、教室の入り口で待つ二人の元へ急ぐ。
「なんで突然?」
「いや、昨日カップラーメン切れたし、なんか買わないと」
32:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:15:09.34 ID:RhqsoqHZ0
「でも、ウェスターマーク効果って仮定らしいよ」
「あんたはそうやってすぐ揚げ足をとる」
33:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:16:31.39 ID:RhqsoqHZ0
中学生の時は高校生はみんな高校生、って感じに見えたし、小学生の時なんかは中学生ですら大人に見えた。
でも、前は大人に見えた高校一年生も、今では子供にしか見えない。
結局、年上から見れば自分より下なんてみんな子供みたいなものなのかもしれない。
34:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:19:22.91 ID:RhqsoqHZ0
「アイスでも買うか」
「奢ってくれるの?」
「じゃあ、今度奢ってね」
35:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:20:40.65 ID:RhqsoqHZ0
交差点の信号がやけに長かったので、信号が青くなるのを待っているうちに、俺とコヨミちゃんはアイスを食べ終えてしまった。
二人で他愛もない話をして時間を潰す。生徒会のこと、俺の部活のこと、テストが近いこと。
ねえちゃんは食べにくそうな小さいスプーンで、しろくまくんをチマチマと食べていた。
36:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:22:18.43 ID:RhqsoqHZ0
川沿いの道を歩く。
水面が夕日を反射して眩しかったけど、なんとなく夏だなぁ、って感がして、わくわくした。遠くで鳶が飛んでいる。
「コヨミちゃん、最近よく一緒に帰るな」
37:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:24:23.32 ID:RhqsoqHZ0
「でも、なんで突然?」
「別に?」
「なに、ヤキモチでも焼いてんの?」
38:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:26:23.57 ID:RhqsoqHZ0
「あー、いい匂いするー」
ねえちゃんが我が家の玄関を開けたのは、丁度料理が出来上がった頃だった。
「飲み物の準備してー」
39:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:27:35.60 ID:RhqsoqHZ0
「美味しい?」
「美味しい」
40:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:29:16.86 ID:RhqsoqHZ0
ベットに倒れこんで、枕に顔を埋める。
このまま寝てしまおう、と思って目を閉じていると、机の上のスマホが小さな振動と共に、誰かから連絡が来ていることを知らせてきた。
起き上がって、手帳型のケースを開く。
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