99:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:13:39.09 ID:D33bbYIF0
「じゃあね、皆さんもね、夏休みに怪我とか事故とかすることなくね、勉強もしっかりするように。
夏休みが明けた頃にね、またここに全員が揃うことを、楽しみしてますからね」
じゃあ、私からは以上です。
100:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:14:35.48 ID:D33bbYIF0
「夏休みですね」
生徒会長は生徒会長で、短いわけではないが、決して退屈な話をする人ではなかった。
「そういえば去年、高校生の花火の音がうるさい、って、近所の方から苦情が来たんですよ」
101:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:16:19.33 ID:D33bbYIF0
自販機の前で、ナナコを見かける。
今部長に言われたことを伝えようと思ったが、こちらに気づいてないのか、下を向いて早足で文系棟の中に入っていってしまった。
他に特に用があるわけでもないし、まあ後でもいいか。
102:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:17:36.22 ID:D33bbYIF0
夏休みに入ったその日の、学校の雰囲気。
透明感があるというか、すっきりしているというか。
みんなの目に輝きが見えた。
103:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:20:04.95 ID:D33bbYIF0
「ちーちゃん見てない?」
「進学講座だって」
104:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:22:51.75 ID:D33bbYIF0
「あっつーい」
イチが胸元をパタパタと仰ぐ。
「暑いですねぇ」
105:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:24:25.08 ID:D33bbYIF0
「どうかしたんですか?」
「いや、こっちの話」
そうですか、と返事をすると、ナナコは興味なさそうに前を向いた。
106:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:26:06.40 ID:D33bbYIF0
少し歩調が遅くなったので、それとなく合わせると、いつもより景色がゆったりと流れて見えた。
昼前の日差しを、川がしつこいほど反射する。
土手沿いに並ぶ桜の木から、耳をつんざくようなセミの鳴き声が響いた。
107:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:26:49.02 ID:D33bbYIF0
いつの間にか、二人とも黙り込んでいる。
こんな時に、気の利いた、面白いことが言えれば良いのに、と思った。
俺は、もともとあまり話せる奴でもないし。
108:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:27:27.26 ID:D33bbYIF0
つづく。
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