342:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 20:35:51.95 ID:ckQ0GSngo
「――お待たせしました。シルバー・ブレットです」
「ほう、これが……」
343:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 20:47:35.92 ID:ckQ0GSngo
「調子は、どうですか?」
ピアノの調べが二人の間を満たす。
グラスをちびちびと舐めながら、蘭子は頭を巡らせる。
344:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:34:19.30 ID:ckQ0GSngo
「すみません、ラフロイグの水割りを。蘭子ちゃんは……」
「……闇夜の口付けを」
(キス・イン・ザ・ダーク……)
345:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:39:45.66 ID:ckQ0GSngo
「いえ。ウォッカを顔色一つ変えず、次々と」
「高貴なる血の成せる業か……」
346:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:47:57.11 ID:ckQ0GSngo
「ええ。ですから、ここだけの話と」
彼が薬指のリングを撫でる。
鷹富士茄子もまた舞台を去り、新たな道を手に入れた一人だった。
347:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:55:08.98 ID:ckQ0GSngo
「大丈夫です、蘭子ちゃん。自分で思う以上に、貴女は強い」
「……」
348:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 22:06:43.21 ID:ckQ0GSngo
「――ただいま」
「くぅ……」
349:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 22:11:11.98 ID:ckQ0GSngo
茄子がくるくるとご機嫌に回りながら脱衣所へ入り、扉を閉める。
直後に聞こえて来たあられもない声に耳を塞いで、彼はその前を通り過ぎた。
「……幸せって、何なんだろう」
350:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 22:15:33.76 ID:ckQ0GSngo
【21歳 / 夏】
「あり? 蘭子ちゃん?」
351:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 22:21:50.78 ID:ckQ0GSngo
「調べを確かめても?」
(聴いていい?)
「もちろん」
352:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 22:32:39.30 ID:ckQ0GSngo
楽譜と歌詞カードを手渡される。
『REpresent』と題された横、作詞作曲欄に並んだ名前。
二宮飛鳥の存在証明を受け取り、蘭子は目元を拭った。
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