過去ログ - モバP「白菊ほたると一輪の笑顔」
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2:名無しNIPPER[sage]
2016/09/07(水) 12:44:13.91 ID:U5TsC10RO
期待期待
ほたるちゃん大好き


3: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:44:39.03 ID:QSjMH8mi0
 顔合わせから数日後、俺とほたるちゃんは都内のスタジオを訪れていた。

 アイドル雑誌に載せる写真を撮りにきたのだ。プロダクションが持つ枠のひとつで、毎月新人や売り出し中の子にあてがわれている。

 撮影後は軽めのインタビュー。新人には仕事に慣れてもらうための簡単な仕事と言える。
以下略



4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:45:53.46 ID:QSjMH8mi0
 顔合わせのとき、ほたるちゃんは自分を指して不幸体質だと言った。

 人を巻き込み不幸にして迷惑をかけてきたのだと、彼女は申し訳なさそうに言葉を紡いだ。

 俺は首を傾げた。どこに因果関係があるのか理解できなかったから。
以下略



5: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:48:04.63 ID:QSjMH8mi0
 カメラマンと軽く打ち合わせをして、さあいざ撮影を始めようとした段階になって問題は発生した。

 どうやら機材トラブルが起きたらしい。幸い、少し時間をかければ解決できるそうなので、大人しく待つことにしよう。

 スタジオの端にあるパイプ椅子に、俺とほたるちゃんは腰を下ろした。
以下略



6: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:49:08.82 ID:QSjMH8mi0
「ほたるちゃんはさ、幸不幸ってなんだと思う」

「えっ、幸せと不幸ですか?」

「うん。あっ、そんなに難しく考えなくていいよ。暇つぶしだと思って」
以下略



7: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:51:24.03 ID:QSjMH8mi0
 雑誌の撮影から二カ月、穏やかな日々が続いた。

 大きな失敗もなく、ほたるちゃんは着実に仕事をこなした。自信のなさは相変わらずだけど、それでも彼女が首を傾げるぐらいには順調と言えた。

 俺とほたるちゃんの仲も、多少は近づけたように思う。
以下略



8: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:52:24.07 ID:QSjMH8mi0
 ある日、ほたるちゃんは両手ですずらんの鉢を抱えてきた。事務所を出てすぐの花屋で買ってきたらしい。

 控えめにだけど、自己主張する彼女は珍しい。嬉しくなる。

「この部屋、緑が少ないと思います。……ダメですか?」
以下略



9: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:54:59.07 ID:QSjMH8mi0
 だから、油断したんだと思う。

 さらに一ヶ月が経った今日、ほたるちゃんは小日向美穂とともに、双葉杏と諸星きらりのステージでバックダンサーを務めた。

 しかし、完璧ではなかった。細かなミスがいくつかあった。ただ、許与範囲と言える。気にするなとは言えないけれど、気にし過ぎるほどでもない。
以下略



10: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:56:06.78 ID:QSjMH8mi0
 だけど、ほたるちゃんにとって「次」は不確実なもので、「今」は脆くいつ崩れ落ちても不思議ではないのだろう。

 杏ちゃんはテーブルに突っ伏しながら気だるげに言う。

「気にするなって言われても無理だよねー。こればっかりは気持ちの問題だからさ。でも、ほたるちゃんが落ち込んでると逆に気になるんだよね。だから、杏たちのために気にしないでよ」
以下略



11: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:57:51.97 ID:QSjMH8mi0
 それから帰り道、喫茶店に寄った。せめて、もう少し明るい気持ちで帰ってほしかったのだ。

 カウンターでコーヒーとココアを受け取って席に着く。俯くほたるちゃんの前にココアを置いてから、俺は口を開いた。

「練習ではできていたよね。なんでミスしたと思う?」
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