20:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:30:13.79 ID:4GoJhFxk0
「まゆちゃんはね、悪くないの」
「どちらかと言えばプロデューサーさんが悪い」
「でも本質的にはどちらも悪くないの」
21:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:31:16.58 ID:4GoJhFxk0
まゆが立っているのは、いつもの見慣れた事務所の前。
まゆがもうお別れするつもりの少し大きな建物。
背中を押され、階段を上り、二階にある事務所の扉の前まで連行されます。
22:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:32:09.86 ID:4GoJhFxk0
Pさんの瞳はまゆの瞳を掴んで離しません。
思わず息をのみます。
もうすでに諦めたはずなのに。終わっているって理解しているくせに。
今まゆが抱いているのは誰がどう言ったって完全に――恋心。
23:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:33:00.20 ID:4GoJhFxk0
まゆの心の中の訴えもよそに、Pさんは「ふぅ」と息を吐いて、その後大きく息を吸って。
「俺は佐久間のことが好きだ!! 優しそうなたれ目も、艶やかな髪も、シュッと整った鼻も、小ぶりな耳も、話し方も、服のセンスも、一歩引いて俺を見守ってくれるような奥ゆかしさも、柔らかい唇も、全部――全部!!」
24:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:34:09.56 ID:4GoJhFxk0
「やっぱりお前、嘘だと思ってるだろう。俺、人生でここまで嘘偽りなく自分の思いをぶちまけたの初めてだぞ?」
「だ、だってPさんは……」
「おう、俺がなんだ。言ってくれ」
25:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:35:14.85 ID:4GoJhFxk0
「か、顔を上げてくださいよぉ!」
まゆが必死にそう言うと、Pさんは数秒後にゆっくりと面を上げました。
26:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:38:15.87 ID:4GoJhFxk0
「いえ……。ただ、Pさん、お顔が真っ赤ですよぉ?」
「それお前もだからな」
27:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:39:25.44 ID:4GoJhFxk0
「うぅっ……ぐすっ……」
泣き出した私を、Pさんは優しく抱きしめてくれます。
28:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:41:47.28 ID:4GoJhFxk0
俯いていた顔をあげ、まゆの大好きなPさんの瞳を見据えます。
本当のところ、涙でぐしゃぐしゃの顔は多分とっても醜いので、Pさんに見せるのはとても恥ずかしいです。
でも……今は、今だけはPさんの瞳を真っ直ぐと見つめたいから。
その思いはPさんにも伝わったのか、Pさんもまゆから視線を離しません。
29:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:45:04.25 ID:4GoJhFxk0
今度は指で言葉を遮るなどという無粋なことはしません。
けれど、押すタイミングだけは絶対に間違えません。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 23:47:31.16 ID:4GoJhFxk0
短いですが終わりです。
ままゆのお誕生日&デレステ一周年記念に抱えていただきました。
なんとか誕生日に間に合わせようと、後半特に雑になってしまったのが唯一の心残りです。
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