32:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:25:28.08 ID:6BNWGd8K0
……私は、少し勇気を振り絞って、検索ツールにある単語を入れた。
その単語は、彼の――つまり男の子になっている時の私が通っている――学校名だ。
……今まで調べなかったのは、大した理由はない。強いて言えば恥ずかしかったというか、現実的な物にするのが嫌だったのだ。
33:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:26:30.15 ID:6BNWGd8K0
そんなタイトルの記事の中にある写真には、無残な姿になっているものの、私が男の子になっている時、いくつか見慣れた風景があった。
ど、どういうこと……と、無意識の内に声が出ていた。
意味が、わからない……何が起こっているの……
34:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:27:29.85 ID:6BNWGd8K0
三葉と付き合い始めて3ヶ月が過ぎた。
手を繋いで、キスもした。体も、何回か重ね合った。
寝ても覚めても、俺は三葉の事で頭が一杯だ。
35:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:28:15.87 ID:6BNWGd8K0
そして今、俺は三葉と二人で散歩していた。
今日は休日。ちょっと遠出して、森林のある自然公園にやってきた。
三葉の故郷、糸守は自然豊かな所だったから、こういう場所に連れていけば三葉も喜んでくれるかなと思ったんだ。
36:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:28:55.18 ID:6BNWGd8K0
「……寒いね、瀧君」
「カイロでも持ってくれば良かったなぁ……」
俺がそうぼやくと、三葉一瞬何か考えたような顔をしたあと、俺にピッタリとくっついてきた。
37:運営終了は犯罪[sage saga]
2016/10/04(火) 20:29:48.83 ID:Od+Qrumm0
イケメン金髪王子須賀京太郎様処女膜を捧げる朧ちゃん
38:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:29:49.24 ID:6BNWGd8K0
その後、少し歩き疲れたので、おあつらえ向きにあったベンチに二人座る。
さっさっ、と三葉はベンチを軽く手で撫でた。
巫女さんをやってただけあって、そういう所は礼儀正しくて、女の子女の子してる所が、可愛いと思う。
39:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:30:31.31 ID:6BNWGd8K0
たまにこうやって、お姉さんぶるのも、どうしようもなく愛おしい。
一緒に居て、全然退屈しない。
まるで優しく包み込まれているような安らぎと、ラッピングされたプレゼントを開ける時のドキドキ、そのどっちも味わっているような、そんな気分になる。
40:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:31:45.48 ID:6BNWGd8K0
「その語源ってさ、誰そ彼って言うんだって。夕方は、昼でも夜でもない時間。人の輪郭がぼやけて、彼が誰だか分からなくなる時間。人ならざるものに出会うかもしれない時間……逢魔が時とも言うよね。糸守じゃあ、かたわれ時って言うんだけど」
「……かたわれ時」
「うん、高校の時の国語の先生が教えてくれたの……なんか思い出したから言っちゃった」
41:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:32:50.70 ID:6BNWGd8K0
「……なに? 瀧君」
じっと見ていたからだろうか。
三葉が俺の手を握り、首をこくんと傾げて、そう聞いてきた。
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