42:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:33:51.08 ID:6BNWGd8K0
「……三葉が綺麗すぎて、時々幻みたいにふっと消えちゃうんじゃないか、って思うよ。
でも例え三葉が世界中のどこに行ったって、俺は必ず会いに行くよ」
――いつか言ったような、伝えたかったかも知れない言葉だ、と不意に思った。
43:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:35:03.65 ID:6BNWGd8K0
……一瞬、地獄に落とされた人間の気持ちが分かるほどの絶望を感じ……
「……だって私、瀧君の赤ちゃん、欲しいもん」
……そして、地獄から天国に昇った人間の気持ちが分かった。
44:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:36:25.37 ID:6BNWGd8K0
朝、目が覚めると泣いていた。
鏡を見ると、目が真っ赤だった。
そこには、いつもの私。女の子の、中学一年生の、いつもの私だ。
45:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:37:32.30 ID:6BNWGd8K0
今日は土曜日。
ネットを彷徨ったり、国会図書館に行ったりして、あの事件について調べていた。
しかし、これと言った収穫はなかった。
46:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:38:27.08 ID:6BNWGd8K0
次の日の朝。
今日も朝起きたら、泣いていた。
どうやら私は、泣いちゃうくらい、彼の事が……その、アレらしい。
47:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:39:37.36 ID:6BNWGd8K0
……どこに行くの?
靴を履いていると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると、そこにはお母さんの姿が。
普段は、この時間なら家族全員寝てるのに……ドタバタしていて、起こしてしまったようだ。
48:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:40:34.93 ID:6BNWGd8K0
……うん、やっぱり、よく似合うわ。いつかあなたにあげようと思ってたんだけど、つい渡しそびれちゃってて。
鏡の前に立って、自分の髪型を見る。
お母さんの言うとおり、我ながら良く似合っていた。
49:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:41:47.78 ID:6BNWGd8K0
この子、友達とネズミーランドに行くんですって。
お母さんが私の代わりに説明してくれる。
そうか……気をつけて行くんだぞ、お前は超絶に可愛いからな。変な男にナンパされそうになったら、すぐお父さんを呼べ。すっ飛んでく。
50:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:42:55.83 ID:6BNWGd8K0
新幹線に乗って、電車を乗り継いて、タクシーに乗って、彼の住んでいた村の近くへ。
人通りは全くない。
スマホの電波も殆ど入ってこない。
51:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:43:50.97 ID:6BNWGd8K0
……もし、私に出会ったら、彼はどんな顔をするのかな。
私が彼の名前を呼んだら、彼はどんな表情をするのかな。
笑うかな、照れるかな、それとも照れ隠しに、何しにきたこの貧乳女! とでも言うのかな。
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