43:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:46:42.44 ID:snFV7Fpq0
  
 「私……清らか、ですか?」 
  
 「もちろん!」 
  
44:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:47:15.74 ID:snFV7Fpq0
  
 「かわいい……ですか?」 
  
 「世界一!」 
  
45:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:47:49.47 ID:snFV7Fpq0
  
  部屋の内は、みるみる私の笑い声で満たされていきました。 
 何と言うことのないやり取りだったのに、涙が出るほどおかしかったのです。 
  
  感情を閉じ込めていた栓が外れたようでした。 
46:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:48:23.32 ID:snFV7Fpq0
  
  目元をぬぐいながら、私は改めてプロデューサーさんに向き合いました。 
 私が笑い転げている間、呆れる素振りも見せずに彼は待っていてくれたのです。 
  
 「抱え込まないでね」 
47:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:48:56.59 ID:snFV7Fpq0
  
  ひとつ頷いて、彼はすっくと立ち上がりました。 
 しかしすぐにまた腰を下ろして、 
  
 「違う違う、思い出した、ゆかりちゃんに用があったの」 
48:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:49:30.14 ID:snFV7Fpq0
  
  一瞬、私は口ごもりました。 
 言葉以上に、眼差しが私に問い掛けていたのです。 
  
  ――本当? 
49:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:50:03.62 ID:snFV7Fpq0
  
  しかし私は、揺るぐことなく頷くことができました。 
 もう一度、この掌に収め直した気持ちと、私の答えは、ぴったりと重なっていたのですから。 
  
 「……はいっ」 
50:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:50:37.19 ID:snFV7Fpq0
  
          3 
  
  チューバが歌うような品のある長い低音が私のおへその下の辺りをくすぐっていました。 
  
51:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:51:11.14 ID:snFV7Fpq0
  
 「いい目してるね〜」 
  
 「はい?」 
  
52:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:52:07.67 ID:snFV7Fpq0
  
 「お疲れさま。今日もいい仕事、できてたよ」 
  
 「本当ですか?」 
  
53:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:53:21.54 ID:snFV7Fpq0
  
  現場のことを思い出すと少し動揺もしますが、そよ風のようなものでした。 
 私が静かに頷くと、彼も頷き返して、 
  
 「いきなり一発当ててもダメだかんね。掘り返しても何も出て来ないから。それと、いきなり脱ぐのもダメ。あと全部脱ぐことになる。つまり、積み重ねてから一」 
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